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やさしい法律・行政手続入門

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2006.12.09
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法廷で傍聴人がメモを取っていることについての次のAからDまでの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、誤っているものは幾つあるか。


 

 裁判の公開を制度として保障している憲法第82条第1項は、裁判の傍聴人が法廷においてメモを取る権利を保障していると解されるが、そのような保障も無制限に認められるものではなく、法廷における公正かつ円滑な訴訟の運営という観点から一定の制約を受けるものである。

 

 情報等に接し、これを摂取する自由は、憲法第21条第1項の趣旨・目的から、言わばその派生原理として当然に導かれるものであり、裁判の傍聴人が法廷においてメモを取る事は、その見聞する裁判を認識、記憶する為になされるものである限り、尊重に値し、ゆえなく妨げられてはならない。しかし、メモを取る行為が法廷における公正かつ円滑な訴訟の運営を妨げる場合には、それが制限または禁止されるべき事は当然である。

 

 裁判長が、法廷でメモを取る事につき、司法記者クラブ所属の報道機関の記者に対してのみ許可し、一般傍聴人に対して禁止する措置を採ることは、憲法第14条第1項に違反し、許されない。

 

 裁判の傍聴人が法廷でメモを取る事の憲法上の位置付けに照らせば、裁判長としては、特に具体的に公正かつ円滑な訴訟の運営の妨げとなるおそれがある場合においてのみ、これを制限または禁止するという取り扱いをすることが望ましいが、傍聴人がメモを取ることをあらかじめ一般的に禁止し、状況に応じて許可するという取り扱いも、裁判長の裁量の範囲内の措置として許容されないわけではない。

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最終更新日  2006.12.09 19:21:38
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