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テーマ:憲法問題(1)(94)
カテゴリ:行政書士試験(憲法)
本問は、私人間効力の問題です。人権の制限は、法律や条例など、公権力によってなされる事が多いといえます。しかしながら、私人によって、人権侵害がなされる事も実際には多く発生しています。
私人間で人権侵害が行なわれた場合に、そこに憲法を適用して当該人権を救済していくべきなのか、これが私人間効力(第三者効力)と呼ばれる問題です。 学説は、無効力説、直接適用説、間接適用説に分かれていますが、通説判例は間接適用説を採用しています。 間接適用説とは民法90条のような私法の一般条項を媒介として、憲法の人権規定を間接的に適用しようとするものです。 重要な判例としては、最大判昭和48年12月12日(三菱樹脂事件)があります。 1.述べるところではない。 三菱樹脂事件では、私人相互の関係を直接規律する事を予定するものではない、としています。 憲法19条、14条は、「その他の自由権的基本権の保障規定と同じく、国または公共団体の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障する目的に出たもので、もっぱら国または公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互の関係を直接規律する事を予定するものではない」 2.述べるところではない。 三菱樹脂事件で、判例は、 「企業者は、かような経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業の為に労働者を雇用するに当たり、いかなるものを雇入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、・・・原則として自由にこれを決定できるのであって、企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえを持って雇入れる事を拒んでも、それを当然に違法と」したり、直ちに民法上の不法行為とすることはできない。 としています。 3.述べるところではない。 本肢のような考え方を、判例はしていません。 4.述べるところではない。 憲法19条、14条は、「その他の自由権的基本権の保障規定と同じく、国または公共団体の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障する目的に出たもので、もっぱら国または公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互の関係を直接規律する事を予定するものではない」 5.述べるところである。 以上のように、三菱樹脂事件で判例は、本肢のように述べています。 行政書士試験 H18 問題3 人気blogランキングへ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 離婚・相続等の法律問題でお困りの方は↓ 櫻井法務行政書士オフィス ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.12.29 09:08:38
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