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カテゴリ:Cinema
スカパー・チャンネルNECOにて「ジョゼと虎と魚たち」(犬童一心監督・2003年・日本)を視聴。
8月から公開されて絶賛を得ている「メゾン・ド・ヒミコ」に加え、あだち充の原作漫画を映画化した「タッチ」が9/10より全国公開という犬童一心監督のちょっと変わったラブストーリー。犬童監督作品には、同じく池脇千鶴が出演する、こちらも変わったラブストーリーである「金髪の草原」があるが、二つの恋愛をテーマにした作品には通ずるものがありそうな……。 ジョゼ役の池脇千鶴がセミヌードをも披露し体当たりの熱演。彼女が演じる下半身にハンデを持った女の子が、やがて女性として、人間として再生し、力強く生きていく様が描かれている。ラスト近くで、あれほど嫌がっていた電動の車椅子で独り街行く後ろ姿は彼女の力強さを暗示している。 対して、妻夫木扮する今どきの大学生は、ピュアだけれど軽く、そして若さゆえ、一人の女性としてジョゼを体当たりで愛するも、彼女の抱えるものの重さに苦悩する。「あ~若すぎるって、こんなだったかもなぁ……」と共感。 恋愛をめぐる描写がかなりリアルだったり、結末がありきたりなハッピーエンドでないところが◎。ちょっと痛い映画だが、爽やかな感動でおすすめ。 映画を見るまで「ジョゼと虎と魚たち」って不思議なタイトルだなぁとずっと思っていたけれど、観終わってみると、なんともこの映画にぴったりで素敵なタイトルであると納得。 ジョゼはサガンの小説『一年ののち』の主人公。そしてこの映画には、田辺聖子の原作本があるとは今の今まで知らなかった。 まさに「忘れたい、いとおしい、忘れられない。」……。☆☆☆☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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