数年前の出来事である。私はある夢を見た。福祉施設職員の仲間がクルマで事故った夢だ。25歳の彼は身体の心配よりも15万円で手にし、カスタマイズして可愛がっていた愛車の損壊を悲しんだ。その様子が哀れでかつ彼らしい愛嬌があった。そんな夢を見た。「だから○○さん、事故らないでくださいよ!」と彼に翌日、忠告した。『ボクは、事故はしませんよ(笑)』と余裕の表情であった彼であったが、しばらくして本当に事故を起こしたのである。これを予知夢というのか。
私は、「ほら、だからいわんこっちゃない」とは言わなかった。「おぎーのさんがそんなことを口走るから、本当になっちゃったじゃないですか。」と彼は笑いながら言った。言霊とでもいうのだろうか。そろそろ私の予知能力について興味を見せる読者が出てくる頃ではないだろうか。じっさい、この経緯をはたで見ていた女性職員が興味を見せた。若くエロカワイイ女の子が、「私もおぎーのさんの話を聞いてみようかしら」と言い出した。そんな状況にあって私の心にはある変化が生じてきたのである。じぶんには予知能力があるのではないか、という思いが…。「△△ちゃんの夢を見たら教えてあげるね!」と私は気安く返答していた。当時、彼女は結婚を前提に付き合っていた彼氏がいたが、彼氏とこのまま付き合って結婚していいものだか、悩んでいたのである。私は自然とエロカワ女の子の相談役となっていた。そのときの私の顔つきを、今ふりかえって想像してみれば、江原何某にそっくりであったろう。あのニヤニヤ笑っている具合が。
そうです、私は予知能力なんてものを持っているわけないのです。クルマの事故の夢はただの偶然。そもそも彼はクルマの運転が好きだったが、若さゆえの乱暴さもあって、ほかにも事故を起こしていたのだ。私の夢はそんな彼の履歴を元に構築されたものであったと思う。ゆゆしきことはその一件を霊的なものとみなして心を開いて近づいてきた女性がいたことである。私の顔が『オーラの泉』みたいなニヤニヤ笑いになるのも致し方ない。許してほしい。私は調子にのってあてずっぽうな予言をのたまいだしたのだ。ここに若いスピリチュアリストの誕生の瞬間があった。私は自分で気づかずともコールドリーディングの技法を用いだしたのであった。コールドリーディングの意味がわからない方はぜひともググっていただきたい。私が説明するよりもいいだろうから。
江原何某はインチキであるというがために、こんなエピソードを書いた。
私の推察に間違いはないであろう。ただ、『オーラの泉』においてゲストは大きな満足を得ている様子なので、それはそれでいいのだろうと思う。私は毎週、『アイチテル』が始まるまでのつなぎに観ているが、江原はともかく、美輪さんに対して悪い感情はない、というか好きだ。唯物史観の人生はつまらないとも思う。私は最近になって心霊写真の中にはホンモノもあると思うようになったくらいであるから。
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