ホワイトデーの時のこと。営業の一環だと思うが、福祉用具のオネエチャンのもとで事務をする39歳のおねえさんからバレンタインのチョコをもらったのでお返しをした。義理に対して義理を返したと思っている。
その39歳は(39歳という年齢は27歳の本田美奈子似が誰かにむけて話していたのを偶然聴いて知った)美奈子似の派手さとは対照的にグレーのスラックスをはいているような地味ないでたちだがセンスは悪くない。田舎の福祉施設においてはめずらしくさえある。いつもやや温度が低くて、情緒が一定の彼女は、もちろん、奥さんだろうなあ。
その39歳にホワイトデーのお返しをしたら、(彼女が不在だったので美奈子似のオネエチャンに渡しておいた)私の机にやってきて、視線を私からはずしてこういった。
『お心遣い、ありがとうございます。』
なんか10分後くらいにその言葉を反芻して、ぐっと、きた。オココロズカイアリガトウゴザイマス。ええ、言葉だなあ。A子さんは独身じゃないのかなあ。どうみても35歳以下にみえる彼女が未婚かどうかについて気になってきた。物静かなだけにミステリアスだ。こんな女性ならお給料を全部渡せるな。マリエルの逆ベクトル。しばらくの間、空想に浸らせてくれ、39歳に見えない39歳さんよ。
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