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不登校・ひきこもり・ニートを考える

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巨椋修(おぐらおさむ)

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2006年10月29日
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カテゴリ:不登校
高校で受験のために、必須科目を履修させずに、つまり学習指導要領を守らずに、指導していたことが明るみに出ました。


問題があった高校は、400校を超え、被害生徒は8万人を超えるといいます。


必須科目を教えていないというのは、“卒業できない”ということでもあります。


この問題に対して、「高校生がかわいそうだ。卒業させてやれよ」


という声があがっており、そして“何らかの方法で”無事卒業となるでしょう。


学習指導要領を守っていなかった学校の多くは受験校であり、「卒業させてやれよ」=「受験させてやれよ」ということになります。



では、卒業でき、受験できたとする。


すると、学習指導要領を守っていた他の圧倒的多数、現在、約115万人の高校生は、結局のところ


「正直者が馬鹿を見た」


という結果になってしまいます。




もっといえば、同じ様なことは過去から、ずっとあったと考えられ、かと言って学校側のルール違反のため、被害者である生徒にその責任を負わせるわけにも行かず、ルール違反であるということを知りつつ何らかの緊急処置でどうにかするしかないのでしょう。


これまでも、同様のルール違反が行われてきたということでもあり、そういった不誠実さ、ルール違反を過去学校という教育機関がやり続けてきたのが、明るみに出たということです。


これは、過去のいじめ、いじめ自殺、先生の不祥事、学校内の犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しているという体質が、あばかれてきたということでもあります。


いままでは、「見て見ぬふり」、「知っていても語ってはいけない」という雰囲気を、学校関係者のみならず、その周囲の庶民、日本人全体が持っていたということかも知れません。


それがやっと「それってマズいんじゃないの?」ということになってきた。


これは公共教育に信用がなくなりつつあるという証明でもあります。


ここ20年くらい問題になっていた『不登校』も


『そんな学校なら行かなくてもいいんじゃないの』


という考え方が増えてきました。


この『そんな学校なら行かなくてもいいんじゃないの』という考え方は、これまで『子どもは学校に行かなければならない』という常識が、薄くなりつつあるということでもあります。


もっとも、いまだに


『子どもは学校に行かなければならない』

『学校に行かない子どもはダメな子である』


という“信仰”は、まだまだ強く、特にアタマのカタイ教育関係者や保護者は、柔軟に対応することができなかったりします。


いまの状態が今後続くとすれば、公教育の持つ力は、どんどんと弱くなっていくことでしょう。


これは“教育を学校に丸投げする”という考えが、薄くなっていくということでもあります。


しかし現代の親たち、あるいは近い将来親になる人たちは、『我が子の教育を自分たちで選択する』という能力を養っていません。


『自分の人生を自分で選択する』ということすらできない人が多いのです。


そういう場合どうなるか?


あまりにも多い選択肢を自分で選べないときは、「どこかの誰かが、作ってくれた人生」や、「どこかの誰かが、提唱している教育」に盲目的に従う人が多くなります。


すると結局、いまと変わらないということになる。


いやいや、もしかしたら新興宗教に群がる人のように『カルト教育団体』に、教育を丸投げするようになる人も増えることでしょう。


これも、いわゆる時代の流れというものなのでしょう。


もしできるなら、今後の親は教育の丸投げではなく、よくよく考えて教育の選択をして欲しいものです。


そして自分自身の人生の選択も、自分でよくよく考えて柔軟に生きて欲しいと思います。


自分の人生でも、子どもが不登校であろうとなかろうとも、必ず迷い悩むのが人間なのでしょうから。






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Last updated  2006年10月29日 20時24分23秒
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