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巨椋修(おぐらおさむ)

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2008年06月26日
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カテゴリ:子育て
さて、前回の少しお話したように、過干渉の親の多くは「自分が過干渉をしている」ということに気付きません。


それだけその親にとって、過干渉が当たり前のことになってしまっていたり、親自身もまた、親から過干渉に育てられたか、あるいは逆に、放任されて育ったため、子どもとの距離感が掴めていないためです。


また、例えば最近あった【秋葉原通り魔事件】などを見て、凶悪犯罪や、あるいは親殺しの犯罪などを見ると、犯人は親から過干渉で育てられた場合が多いことを知り、態度を改めようとする親もいます。


その場合、注意しないといけないのは、往々にして、



過干渉を止める=育児放棄


という極端に反対の行動に出てしまうことがあります。




親としては、


「これまで過干渉であったのだから反省をして、子どものために過干渉を止めよう」


と、考えてのことのようですが、これまで、過干渉のため自分で考えたり行動したりすることを、させてもらえなかった子どもにしてみれば、急に親から“見捨てられた”も同然ということになります。


子どもはこれまで、親の過干渉によって、自立するための能力を奪われてきているのです。


よって、急に見放されても、何もできなくなり、途方にくれるしかありません。


それを見た親は


「この子は、わたしがいないと何もできない」


と、また過干渉を行うようになり、しばらくすると、


「やっぱりこのままではいけない」


と、過干渉を急にやめ、見放す態度に出たりします。


これでは、ただいたずらに、子どもの成長を妨げ、一人前なるのを妨害しているだけになってしまいます。


これら、極端から極端への行動は『アダルト・チルドレン』や『境界性人格障害』などによく見られる特徴でもあるのですが、過干渉をしてしまう場合、親自身の心理に、何らか問題を抱えていて、その心の隙間を埋めるために、子どもに対して過干渉を行ってしまうということがあります。


あるいは、親自身が、いまだに大人になりきれていないゆえに、過干渉になっている場合もあります。

(過干渉と関連のあるものとしては、『アダルト・チルドレン』『共依存』などがありますので、興味のある方は検索してみてください)



子どもというのは、一朝一夕で大人になるものではありません。


いろいろな紆余曲折、困難をぶち当たり、悩みながら、失敗を繰り返して大人になるものです。


例えば、いま高校受験を控えている子どもがいるとしましょう。


親は、子ども将来を考えて、なるべくいい高校に行かせたいと願っています。


ところが子どもは、学校が嫌いで、中学を卒業したら、もう学校には行きたくないと思っているかも知れません。


過干渉の親であれば、子どもに対して命令口調で高校へ行くことを強制するでしょう。


過干渉の親の特徴として、我が子が小学生くらいまでは「子どもの心は誰よりもわたしが知っている」と、思っていることです。


ところが、それは、子どもが親に合わせて“良い子”をなるべく演じているだけで、子どもは、親に喜んでもらうために、自分の心を殺しているだけのことだったりします。


そして子どもが中学生くらいになって、思春期になってくると、子どもも自我が目覚めてきて、親に反抗したり、自己主張をしたりするようになってきます。


親にしてみれば、これまで従順だった子どもが、あるいは子どもの心を“わかったつもり”になっていただけに、ビックリしてしまいます。


これまでのように(親自身は自覚していなくても)力で、子どもの意思を押さえつけようとするか、あるいは子どもと話し合うかと悩む親も多いようです。


しかし、十数年、子どもに対して行ってきた命令口調や、嫌味な態度などは、親自身に自覚がないだけに、よほど注意しないと直らないようです。


そうすると、親子の話し合いをしようとしても、子どもとしてみれば、


「また親がぼくに生き方を強制しようとしている」


と、感じてしまい、話し合いに応じないか、あるいは、口先だけ「はいはい」と、聞いたふりをして対応してしまいがちになります。


もし、このときに親が、同じように子どもに対して強制的な過干渉を行った場合、子どもは


「どうせ、親はぼくの思いなんて知ろうとしないんだ」


と、思ってより深く傷ついてしまいます。



あるいは、親としては子どもと充分に話し合っているつもりでも、子どもが親の希望や、親の機嫌に合わせているだけで、子どもは、本当の心を話さないこともあります。



では、どのように子どもと接したらいいのか?


過干渉の親が無意識で行っている、上から強制するような態度を改めることです。


また、過干渉をやめ、少しずつ子どもに自立するように、子どもから離れていくことです。



子どもは、親に反抗したりしながらも、親を大切に思っているものです。


親から本能として愛されたいと思っているのですが、同時に本能として自立して一人前になりたいと思ってもいます。


親としては、急に見放すのではなく、かといって過干渉はやめて、徐々に子どもの独立を応援していくのが良いようです。


ですから、先ほどの例え話、中学生の子どもが自分の進路について、悩んでいるとき、親としては、自分の考えを強制したり、過剰に干渉するのではなく、子どもの意見を充分にききつつ、悩みを共有し、話し合うことができればいいのではないでしょうか?


例えば、子どもが高校に行かなくても、親としては、将来の心配もあるでしょうから、来年、再来年に高校進学の道もあること、あるいは、高認(旧大検)を受けて大学進学の道もあることを、提示したり、調べておくという方法もあります。


そして親子とはいえ、親は親の人生、子は子の人生を歩むわけですから、関わりあいながらも、親離れ、子離れを、少しずつしていくことです。


過干渉というのは、親が子どもに依存している状態ですので、親自身も、子どもから独立して、大人になる必要があるのかも知れませんね。










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Last updated  2008年06月27日 02時08分44秒
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