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不登校・ひきこもり・ニートを考える

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巨椋修(おぐらおさむ)

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2008年06月30日
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カテゴリ:対処案
不安とは何かと申しますと、何かモヤモヤとした“恐れ”のことです。


何かモヤモヤとした……というのは、ハッキリとした恐怖とは怖さとは違うんですね。


例えば、町を歩いていて暴漢に襲われると思ってしまうというのは“不安”です。


町を歩いていて、実際に暴漢に襲われたときの恐怖は不安とはいいません。


このように不安というのは、ハッキリとしない恐怖と言えます。


では“不安”は、どこから現れるのかというと、自分の心から現れるわけです。


つまり、過去にあった経験や体験を元に、自分の心が“漠然とした不安という気持ち”を作り出すんです。


よく「自分の将来が不安である」とか、「子どもの将来が不安」などと言いますけど、そのほとんどは、自分の心が想像したものだったりします。


また不安は、自分と他人との関係性で生まれる場合が、非常に多いんです。


他人とは、比較的身近の人物、例えば家族との関係であったり、数人の同僚、数人のクラスメイト、数人の親戚や、数人のご近所さんといった身近な数人です。


赤面症という病気は、人と会うと顔が赤くなる神経症ですけど、誰に対しても顔が赤くなるというわけではない場合がほとんどです。


例えば、赤面症の人でも、小さな子どもや赤ちゃんと話すとき、顔が真っ赤になって恥ずかしいという話を聞いたことがありません。


赤面症の人は、町を歩くとき“その他大勢”の人に対して顔が赤くなるということは少ないと思います。


だから空気同然の家族とかに赤くなる人はあまりいない。


一人部屋の中で顔が赤くなって困るという人も、あまりいないでしょう。


どうもね、赤面症など神経症の多くは、自分と他人の人間関係から生まれる“不安”が原因である場合が多いようです。


もしかしたら、うつ病などもそうかも知れない。


それも身近な、ほんの数人との人間関係。


よく不安になりやすい人というのは、身近な人間関係がうまく行っていない人に多いようです。


不安になりにくい人というのは、身近な人との人間関係が良好な人に多いようなんです。



不安に対処するコツは、周囲の人とうまく付き合うということです。


ストレスという言葉を最初に使用した、カナダの生理学者ハンス・セリエ(H.Selye 1907-1982)が、不安やストレスに対処する一番いい方法として次のように言っています。



「隣人を愛せ、隣人から愛されよ」



『不登校・ひきこもり・ニート』の人というのは、人間関係が不器用な人が多いのですが、それは逆にいうと


愛され方がヘタであり、同時に愛し方がヘタな人。


ということができそうです。


不安な人というのは“孤独な人”であるとも言えそうです。


人は周囲の人々と、うまくいっていて孤独でないなら、それほど不安を感じないですみます。


不安になったとき、身近な人に相談をしたり甘えたりすることができます。


しかし、身近な人に相談したり甘えたりすることができない人は、どうしても孤独になりがちです。


ある意味、ひきこもり系の人というのは、もっとも孤独な人であるのかも知れません。


不安は孤独を生み、孤独は不安を育ててしまいます。


学校で友達がいない子どもは、不登校になりがちです。


社会に不安をもっている人は、人と接したり働くことに恐怖を感じます。


家族に安心できない人は、家庭内でもひきこもってしまいます。



不安に対処するには、セリエ・ハンス博士が言うように


「隣人を愛せ、隣人から愛されよ」


であり、人を愛し、人を大切にし、人に優しくすることで、人から愛され、大切にされ、優しくされ、孤独ではなくなります。


(つづく)








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Last updated  2008年06月30日 09時53分10秒
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