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不登校・ひきこもり・ニートを考える

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巨椋修(おぐらおさむ)

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2008年07月12日
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カテゴリ:不登校
不登校への支援機関として「フリースクール」というものがあります。


フリースクールというのは、民間施設ですから、いろいろなタイプがあり、その方針も、そのスクール、スクールにより千差万別です。


あるスクールでは


「わたしの子どもが不登校になったのは、学校が悪いからだ」


という論理であったり


「いまの学校教育では、不登校になる方が正しいのだ」


という姿勢のところもあります。



どうもね、その人たちの主張を観察していると


学校VSフリースクール


とか


不登校の児童生徒は、学校に行くかフリースクールに行くか、二者選択しかない。


といった雰囲気すらあります。


フリースクールというのは、不登校支援の場として、大変に有用な場所であると思うのですけど、そういったオール・オア・ナッシング的な思考はどうなんでしょう?


と、いうのはね。


少し前に、そういったタイプのフリースクールの連盟が、




●文部科学省は、学校に適応指導教室を増やす場合、フリースクールをこれに当てるべき。


●公立学校在学者1人当たりの国と地方自治体の教育支出は、高校生112万円、中学102万円、小学生90万円であり、不登校の親は、子どもが学校に行っていないのに、その税金を払い、またフリースクールは公的支援を受けていないため、親は「二重負担」となっている。

フリースクールは実質的には不登校の子どものセーフティネット機能をもっており、公的な教育予算を配分すべきである





といった意見書を文部科学省に提出したとか、あるいはこれから提出するとかいう話を聞いたことがあります。



う~ん……


これ、どうなんでしょう?


適応指導教室というのは、言ってみれば不登校児童生徒にとっての【公的フリースクール】というようなものです。


学校の教室ですから、その目的が「学校復帰」となっていることは、仕方がないこと。


どうも、そこが「反学校」姿勢のフリースクールには気に入らないらしいんですけどね。





さっきの意見書をフリースクール関係者がいうと



「ライバル企業である公立の適応指導教室は、いりません。そのかわり、我々のフリースクール連盟にお金をください」



という風に聞こえてしまいます。


税金とフリースクールの会費の【二重負担】というのも、ちょっと違うような気もしますし……


それになんといっても、公的な適応指導教室の授業料は無料であり、さして裕福ではない家庭にとって、ありがたい存在であると思うのです。



本当に不登校児童生徒のことを思うのなら、「適応指導学級を増やすと同時に、フリースクールにも助成金を」くらいでいいのではと、思ったのですよ。


平成18年度の東京都を例にして見てみますと、不登校の相談や指導を受けた機関として、適応指導教室が1,218人。


民間の施設や団体は120人と、文字通り10倍の差があるという現実もありますしね。




フリースクールは経営が大変であり、いつ潰れてもおかしくないフリースクールがあるのかも知れませんが、同じことを言うにしても、もう少に上手にアピールしてほしいと思ったりします。


公的機関ではなく、民間ならではの良さもたくさんあると思いますし。



そして不登校児を抱える家庭には、シングルマザーや、裕福ではない家庭も多く、業者にとって商売の対象ではない場合が増えているのも事実です。


そういった家庭の人たちを、ぜび我がフリースクールにという思いがあるのかも知れませんが、なんだかこの意見書では、いま話題の「モンスター・ペアレント」を連想してしまいます。


まあ、実際にはいろいろな教育方針があっていいわけですから、別に「反学校」の教育機関があってもいいんです。


でも、あまりに攻撃的なところや視野の狭い団体を見ていると、やっぱり「なんだかなあ……」と思ってしまいますね。



(つづく)








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Last updated  2008年07月12日 19時27分57秒
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