ちょっとせつない 梅小紋
今年のお正月もこの着物を選びました。義母から譲ってもらった梅柄の小紋と、塩瀬の帯です。季節の柄行きなので、この季節に出番がよくありますが、今年はいっそう感慨深い気持ちで着ました。 昨年、グループホームに入居した義母。今がお正月というのも理解できない状態ですが、会いに行くと、柔和な笑顔で迎えてくれます。家にいた頃より、温厚になりました。この着物で会いに行ったら、奇跡が起きて思い出してくれるでしょうか。「お母さん、わたしもお姑さんになったんですよ。」と話したら、なんて答えてくれたでしょうか。想像するしかできませんが、「まあ、○子さん、そんな歳になったの! わたしも年取るはずだわぁ。」なんて返ってきたのでしょうか。あれだけ好きだった着物にもまったく気付かなくなりました。お義母さん、忘れてしまっても大丈夫ですよ。わたしがちゃんと覚えていますから。