嵌る。by HidekiOhyagi

　長年使い続けたROLEXが遂に動かなくなってしまった。

　思い起こせばいまから約１８年と４ヶ月前、１９８８年１０月１日、ジャッキー・チェンやブルース・リーなどの映画で有名なゴールデンハーベスト社との打ち合わせで香港へ訪れた時、カオルーンの時計屋で自分のお土産にROLEXの腕時計を買った。その前に何回か香港へ行った時に面白がって、まがい物のROLEXやその他高級ブランドの腕時計（１つ確か５０００円位のもの）を３個位買って、すぐにこわれたり変色したりして「やっぱり一生使えるような本物の方が“安物買いの銭失い”にならずにいいかなあ」と思い始め、当時日本円換算で３７万円位だったと思うが、若かった（？）自分としては、かなり思い切って買ったものだ。しかも香港だったので、確かに保証書など正規品であることを証明するものはあったのだが、全てが偽物ではないか？という多少の疑心暗鬼もあり、使い始めはどきどきしていたものだ。

　そんな時計も、さすがROLEX！使えば使うほど腕に馴染み、寝る時につけていても違和感が無いほどになって、また、表面のクリスタルが少し欠けるほど何かにぶつけたけれどこわれもせず、とにかくボクは、ワン＆オンリーでこの時計を使い続けたが、１８年ちょい経った先日、時計が壊れたことに気づき、丸の内にあるRolex Japanに修理に持っていった。ROLEX正規品ということも証明された。休みもなく使い続けたので、まあよく働いてくれたと考えた方が正しいだろう。自分も歳をとったということだ。

　そして昨日、修理見積もり書が届き、オーバーホール33,000円、プラスもろもろ交換部品代と技術料で締めて税込み53,550円ということだ。見積もりを承認しないと修理をしてくれないきっちりしたシステムとなっている。まあここまで使ったら既に愛着もあるし、もちろん修理を依頼しようと思う。外装磨きで傷もある程度修復され、ピカピカになって帰ってくるようなので、たかが腕時計なのだが、何か嬉しく楽しみだ。