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我が家の冷蔵庫に郵便局から貰ってきたカレンダーが貼ってあった。
このカレンダーには昔話シリーズの切手、浦島太郎の竜宮城の切手が載っていた。 浦島太郎の話とは、助けた亀に連れられて、海中の竜宮城へ行って、乙姫と過ごし、 玉手箱を貰って帰ってきたら何百年も経っており、玉手箱を開けたら煙が出てきて 白髪のおじいさんになってしまった。という話であり、これは室町時代に出来た 御伽草子が基になっているが、更に元がある。 この話の基である丹後風土記は715年頃に作られ、更に日本書紀は720年、万葉集は750年頃に 作られた(日本書紀以外は、製作年は不確実である)書物がある。 これは、浦の嶋子が不思議な体験をして帰郷した話であるが、丹後風土記が書かれる10~15年前の出来事ということになるらしい。 なお、ご存知のことであるが遣隋使の小野妹子のごとく、子は女性ではなく、男性の名である。 丹後風土記には、浦の嶋子の話があまりにも信じられないと見えて、わざわざ、浦の嶋子の話は「伊豫部(いよべ)の馬養連(うまかいのむらじ)が記録したことであるから間違いない。」と断っている。伊豫部の馬養連は、丹後風土記が書かれた直前の丹後の国司である。 以下にSF作家・豊田有恒著「蘇る古代史」から、丹後風土記の「浦の嶋子」の話をまとめて紹介する。 雄略天皇の時代(470年頃)のある日、浦の嶋子は、漁に出たが不漁だった。ところが帰路、亀のような乗り物(五色の亀)と不思議な女に出会う。 女は、「天上仙家」から来たという。 天上仙家は「天地の終わり、日月の極」にあると言う。 女に誘われて、浦の嶋子はその五色の亀に乗るが、乗るとすぐに嶋子は、寝入ってしまう。 目をさますと、海上の(丹後風土記には「海上」と書いてあるが、実際は宇宙か)島が迫ってきた。 そこは、これまで見たこともないきらびやかな宮殿と楼閣があった。 中に入ると亀姫(亀国の姫の意味)が現れ、嶋子はそこで亀姫と楽しい日々を送ることになる。 そこには、7人の小さな人間のような生物と、8人の小さな人間のような生物がいた。 嶋子が聞いてみると、7人は昴宿(ぼうしゅく:スバル座のこと)から来たといい、 8人は畢宿(ひっしゅく:牡牛座)から来たという。かれらは、故郷に帰りたがっていた。 そうこうしている内に、嶋子も、故郷へ帰りたくなったので、亀姫に暇乞いを願い出る。 亀姫は、帰る嶋子に玉匣(たまくしげ:玉手箱のこと)を授ける。 そして、嶋子は、再び五色の亀に乗り、眠る内に故郷に着く。 故郷に着くと、嶋子は、大変なことに気づくのである。そこには家もなく、知る人もいなかった。 周りの人に、事の次第を尋ねると、自分は300年(実際は230~250年ぐらい前)も前に海で行方不明になっていたのである。 なすすべを失った嶋子は、亀姫からもらった玉匣を開けることになる。 すると箱の中から、「かぐわしい蘭のような体が、風雲に率いられて、蒼天にひるがえって飛んだ」 と表現されるような現象が起きた。 これを豊田有恒氏は、「ホログラフによって亀姫が嶋子の前に現れた」と解釈している。 そのあと、嶋子は、みるみる老人になり、その場で死ぬことになる。 以上が、丹後風土記に出てくる浦の嶋子の話である。 この話から、誰もがUFOに乗せられた嶋子が、 地球以外の星あるいは宇宙ステーションに連れて行かれたということを連想する。 丹後風土記では、亀は生き物としてではなく「亀の形をした乗り物」として登場している。 また、嶋子の行った先は、海底にある竜宮ではなく、天地の終わり、 日月の極ところにある天上仙家という宇宙を思わせるところである。 そして、五色の亀はきらびやかな宮殿と楼閣のある島に着いたとしているところから、 星というよりは、宇宙ステーションに着いたともの考えられる。 SF作家である豊田有恒氏は、浦の嶋子の話の個々の事がらを以下のように連想している。 五色の亀:パイロットランプを点滅させたUFOを連想する。 天上仙家:異星あるいは、宇宙ステーションを連想する。 天地の終わり、日月の極:太陽系の外を連想する。 昴宿:スバルは散開星団で、異星人のいる可能性がある。 畢宿:牡牛座には、太陽とよく似たスペクトルをもつ恒星がある。 玉匣:ホログラフをもった通信機を連想する。 また、五色の亀に乗った嶋子は、すぐに寝入ることになるが、 何万光年も旅するときには人間は仮死状態に置かれるというのは今の宇宙科学からすれば、 なかば常識である。浦の嶋子の話は、当時の人が聞いたならば、荒唐無稽な話であるが、 今の私たちからみると、浦の嶋子は宇宙旅行をしたのではないかと想像されるのである。 逆に、浦の嶋子の話が、全くのフィクションだとすると、 丹後風土記の作者あるいは浦の嶋子の想像力に驚くのである。 なぜなら、700年頃、これほどに、宇宙旅行や異星人の想像をするというのは、 普通の人のできることではないからである。 なにはともあれ、宇宙旅行が海底旅行に変化した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年08月23日 17時49分48秒
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