夏のお出かけ
暑いけれど、家の中に居ても暑い。もちろん仕事をしても暑い。スーパーのヨーグルトやチーズなどの冷蔵コーナーの近くをうろつくしかない。映画ももうひとつつまらないので、何も買うものが無いのにわざわざカルフールまで出かけた。遠くに行くといっても、それは嫌いな私は、近くのオランダ、それも北オランダを選んだ。レンブラントが光を見たところあたりである。海が近くて暑くても風があって気持ちよかった。どこもかしこも水の景色であった。アムステルダムから北上するわけだが、風が強いのか多くの巨大な発電用のプロペラがあちこちに回っているのである。昔から風車の国なので、不思議はないが、確かにそのものを感じた。風を、である。それに空の青さがブリュッセルより薄い。アムステルダムよりも薄く感じた。電車で約5時間(2時間半超特急であと2時間は急行)の距離なのに景色は変わり、まさしく北ヨーロッパに来たという実感がじわじわ湧いた。街もこじんまりした港町が多く、特に観光地でもない。土着のアジア人はいても、旅行する東洋人は見なかった。言葉はもちろん北オランダ語、フリース語である。私はややこしくならない為に、英語で済ませてしまった。オランダ人の良いとこは、外国人がオランダ語につまると、すぐに、なんの嫌味もなく英語で相手してくれることだ。といっても、完全な英語ではないので、途中オランダ語になったり英語になったりしてしまうのである。しかしフランス語は耳にしなかった。ハーリンゲンという波止場の防波堤に出ると、風があった。まっすぐに立っていられないくらいであった。そのまま吹き飛ばされてしまいたかった。しかし風が落ち着くまで、私は同じところに立っていた。夕方だったからか、船が数隻帆をおろして港に入ってきた。何にも無い、ただの海の風景であった。遠浅の海岸から望む水平線、遠くにかすむ島、これから引き上げてくるだろう帆船が数隻、目のところが黒いかもめや全体真っ白なかもめ、鳩みたいな色のかもめ。。。普通の海である。国柄、歩行者よりも自転車のほうが目に付いた。それもサドルが滅茶苦茶高いやつだ。船のオランダの旗や長身用の自転車がなければ、どこにでもあるようなただの港町である。なぜか、そこに出かけたのである。いつもの様に地図を見て決めるのである。ぽつんと立っている魚屋スタンドで、おなじみオランダの生鰊を買った。玉葱の刻んだのをつけてくれた。一匹200円ほどであった。全くただの鰊であるのだが、最高に美味しかった。それもただの玉葱だけで、醤油もなくである。私がさばいてくれるのを待っている間にも、どんどんと人が入ってきた。オランダは平たい国である。海の高さよりも低いのである。そして、小さな国であるが、オランダ人は大きい。どこに行っても、ゆったりとしている。働く事よりも、家庭を大切にする国民性であるともいう。めんどうくさい説明がいるのだろうか目の前に魅かれた、あくまでも真っ直ぐな地平線と水平線他に何がいるのだろうかそれだけでいい何もいらないTOT ZIENS!(オランダ語のさようなら、またね)