アトリエの窓の下には、煙をたてているパンを焼く炉があった。この日は特別公開ということもあり、ミューゼの人がパンを焼いていて、訪問客に振舞っていた。自然な味の美味しいパンだった。
ブリュッセルの周りには結構自然が残っていて、緑が多くて、その気になれば自給自足の生活が出来るのだろうと思う。美味しいパンとリンゴがあれば十分であるし、バターやミルクの為に牛を飼っていたようである。
昔はそれが当たり前だったのに、分轄生活が始まって、スーパーマーケットがあちこちに幅をきかし、小さな店舗が大きな集合に吸収されていく。。便利を求めすぎた結果、人間は不便に囲まれて身動きできないのに、その自覚がない。。
縫い針は錆びたら捨てるだろうし、傘などは壊れたら捨てるだろう。錆びの取り方なんて知らないだろうし、傘の修繕なんて出来ないだろうから。。そもそも自分で針を持つことも無いだろう。。