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桐まみれの日々 by さきさん

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2013年02月18日
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カテゴリ:ニュース

 大学の同窓会地区女子会での遠足で出かけた土曜日。福山駅の裏で解散になった後、乗って帰った福塩線でのこと。

  福山駅では結構大勢のお客様で、私は辛うじて席に座ることが出来た。おおよそ、席に陣取っているのは社会人。学生達はドアのそばや車両の隅に固まっておしゃべりに余念がない。

 神辺、駅家と停車するごとに降車客ばかりで、車内はじわじわと空いてきた。窓に沿って横長い座席の私の隣も、いつしか空席となり立ち話をしていた部活帰りと思しき高校生の四人組がそこに陣取った。

 持っているものからしてどうやらバドミントン部だ。今流行のミュージックプレーヤーだのスマホのアプリだの、私にはわけの分からない話に花を咲かせている。

 新市駅に入り、向こうののホームに停まった上りの電車と待ち合わせの時間に、そんな彼らがざわついた。そして、一人が「あれ、かなわがおるわ。気が付け、気が付け~。」と言うと、他の皆も「かなわ、かなわ」と連呼。かくして、上り電車に乗っていた詰襟の男子がふと顔を上げこちらを見やり、彼らに気が付くと激しく手を降った。

 その様子を聞くとは無しに聞き、見るとは無しに見ていた私の表情は、つい緩んでしまった。ほんの一年前まで、うちの息子も彼らと同じように、すれ違う電車の中に顔見知りを見つけると、心弾ませ、そんな風に振舞ったのだろう。そして、手を振り合い、心を通わせたのだろう。そんな十代と言うものは、今も昔も素敵なものだな・・・、と思えてつい顔がほころんでしまった。

 すると、上り電車のかなわ君は、手を振る仲間の隣でニヤケている私に気付き、視線を合わせて軽く頭を下げて、手まで振ってくれた。私もしっかりと振り返したのは当然のことだ。

 その時、一つの疑問が頭をもたげた。あの詰襟は恐らく母校府中高校の制服だろう。そして、「かなわ君」と言う名前から予想すると、彼は神辺界隈に生まれ育ったのではないだろうか。一方、その彼と心安く挨拶を交わしたバドミントン部員らしき彼らは、部活から福塩線の下り電車で帰っている。新市で降りないと言うことは、府中一中か二中。しかも、福山から電車に乗ってきたと言うことは、福山の高校に通っているのだろう?それでは、彼らとかなわ君の接点がないではないか!!!!!

 電車は新市を出て、四人のうち二人が高木で降車。もう二人しか残っていないし、府中に着けば別れ別れだ。私の疑問をぶつけるとしたら今しかない!と私はついに隣に座っている男の子に思い切って切り出した。

「一つ訊いても良い?」

「あ、はい。」

「あなた達は、ひょっとして府中高校のバドミントン部?」

「はい、そうです。」

「そうなんだ。でも、何で福山から?」

「今日は、福山工業高校で講習会みたいなのがあったんでその帰りなんです。」

「あぁ~、なるほどね。おばちゃんも府中高校だったんだけど、あの頃もバドミントン部は強かったんよ。あなた達は一中か二中?」

「いえ、御調です。」

「僕も御調です。」

と言った向こう側の子とこちらの子はやけに似ている。

「ひょっとして、まさかの双子?」

「はい、ニ卵生ですけど。」

「いやぁ~、よく似ているよ。おばちゃんの姪っ子も二卵性の双子がいるけど、その二人よりうんと似てる。おばちゃんは三郎丸まで帰るんよ。あなた達は駅からは?」

「家の人が迎えに来てくれています。」

「そう。おばちゃんもお迎えが来てくれてるはずなんよ。それじゃぁ、部活も勉強も、頑張ってね。」

「はい。」

 かくして、福塩線は府中に着き、彼らと私は電車から降りて別れた。それは、楽しかった遠足の思い出ををさらに楽しくしてくれる出来事だった。

 今どきの高校生、楽しいお話をありがとう。






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最終更新日  2013年02月18日 20時19分54秒
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