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カテゴリ:秋田・岩手 酒びたりツアー
第7話からのつづき→
すっかり「食べまくりツアー」になっている一行。 清吉さんで純日本ファミレスを堪能したあとは、「酒びたりツアー」モードに切り替え! 齋彌酒造店さんに到着。 ここで、今回の旅はこの方なくして語れない「秋田活き活き物産応援チーム」の佐々木一生さんと合流。 一生さんは6月の秋田しょっつるの会でお世話になった方で、今回の旅についていろいろとアドバイスを頂き、秋田地酒の伝道師天洋酒店の浅野貞博さんと出会えたのも、一生さんがいらしたおかげといっても過言ではありません。 蔵前でひとしきり写真撮影を終え、蔵にお邪魔します。 齋藤浩太郎社長と奥様に出迎えて頂きまして、齋藤社長に蔵内をご案内いただきました。 風でゆらゆらとゆらぐ「角太」と書かれた大きな暖簾をくぐると こちらが齋彌さんの仕込み水。 中硬水の仕込み水がコンコンと湧き出ています。 まるで水風呂のよう。 1902年創業の齋彌さん。 創業当時の建物は文化庁指定保存文化財に指定されています。 ここは釜場。造り時季になると毎日ここで酒米を蒸します。(8時と13時の2回) そして何が驚いたって、 総能代産の秋田杉で出来た麹室の綺麗(清潔)なこと。 これまで見学したお蔵さんの中でトップの清潔さ、さすが、日本で初めてオーガニック認定を受けた日本酒を造るお蔵さんであります。 「日本一大きな蔵にはなれないが、日本一清潔な蔵にはなれる」 浅野さん曰く「齋藤社長は自ら、外の窓拭きをされているんだよ」。 え~っ!社長自ら。一同かなり驚き。 「そういって頂くと何か特別なことしているのかなと思いますね」と照れ笑いの齋藤社長。 子供の頃から、祖母から蔵は清潔さが大事だと教えられ、窓拭きも日常生活のごく一部として当たり前のようにされていたそうだ。 オーガニックを造られたきっかけも、オーガニックが造りたくて始めたのではなく、齋彌さんの造りなら認定を受けられるということで認定をうけ、オーガニックを造り始めたということで、特別なことはしていないのですよと齋藤社長。 オーガニック認定を受けている日本酒を造られている他のお蔵さんでは、まずオーガニックの仕込みを終わらせてから通常の仕込みを始めると聞きますが、齋彌さんでは特にそういう順序なく造りをされているそうです。 これは通気孔 室内の温度調整はこの通気孔の開閉によって行われています。 冬場、温度を上げるためパネルヒーターを使う以外、扇風機など動力を使ったものも一切使わないそうです。 通気孔を開けても雨は入ってこない? 蔵内に蔵があるような感じなので、ここの通気孔をあけても大きな蔵で囲まれているので雨は入ってこないのです。 酒母室です。青々としたすぎだまがと思ったら すぎだまっぽい照明。素敵だ。 齋彌さんの斗瓶・雫型 やはりオーガニック用の道具は別に保管してあります。 床の四角枠から下をのぞくと、ちょうど仕込みタンクの中を覗き込むことができます。 他のお蔵さんでは、この開口部から櫂棒を入れて、櫂入れといってタンクの中をかき混ぜて発酵のお手伝いをするのですが、齋彌さんでは・・櫂は・・・・入れません。 櫂入れ、されないんです。自然の対流にまかせて酒を醸すんです。 しかも櫂入れをしてない事実を齋藤社長や先代が知ることになったのは櫂入れをやめてから5年も経ってからのこと。 現杜氏さんが10年前、櫂入れをしなくても十分に酒造りができるということに気づき櫂入れを止め ↓ それから5年経ったある日、先代が気づいた。 「最近、櫂棒がきれいなままなんだが・・」 ↓ そこで杜氏に聞いてみたところ・・・櫂入れしてなかったということが判明。 蔵元さんと杜氏さん達のよい関係が保たれているからこそのエピソード。 ちなみに齋彌さんの酒粕、ちゃんと米粒がしっかり溶け込んでいくので少ないそうです このタンクは三石仕込み用タンク このタンクで1升瓶300本分のお酒が造れます。 自分の造った米でお酒を造ったり、何かの記念に特別に仕込みたい時に特別に造れるそうです。 この酵母は 甘酒の酵母。 商品の写真がないのですが、甘酒フェチなoja的には齋彌さんの甘酒、金メダルです。 濃厚だけど甘味がくどくないのです。 齋藤社長名言 「酵母の機嫌が悪いと、杜氏の機嫌も悪い」(^^;) ここのお蔵は正面玄関から釜場→麹室→精米所に向かって登っていく構造になっています。 この構造をみた農大の小泉教授はここを陶芸ののぼり窯にちなんで 「のぼり蔵」と命名されたそうです。 ちなみにこれは、精米所から戻ってきて正面玄関のほうを撮影したもの。 勾配がわかるでしょうか。 しかしですね~、こういう土間といいますか土足で歩く場所もとても清潔。 思わずこの坂を横にゴロゴロしてみたくなる衝動を抑えるのが大変。 今回、ラベルをあえてクラシックラベルにかえたワンカップ。 「由利」と「ゆり」 昔の蔵を改装してサロンを併設。 ギャラリーとして、またイベントも開催されている。 齋彌さんでは自家製の奈良漬も販売されている。 こちらは奥様がメインご担当のようですが、「奈良漬部屋」が一室設けられている。 奈良漬部屋の写真がないのが残念だが、なんと「梅」の奈良漬もあり、奈良漬パックの中に詰め合わせられているそうです。 お酒のよさだけでなく、齋彌さんの人の良さにふれることができた蔵見学だったな~という気持ちよさを頂きました。 第9話につづく→ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年09月18日 03時09分31秒
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