アストラゼネカ 新型コロナのワクチン
新型コロナのワクチン、最終段階の治験で70%の効果…アストラゼネカ11/23(月) 22:44配信読売新聞オンライン【ロンドン=緒方賢一】英製薬大手アストラゼネカは23日、英オックスフォード大と共同開発する新型コロナウイルスのワクチンについて、最終段階の治験で70%の効果があることを確認したと発表した。 発表によると、1回目に通常の半分の量のワクチンを投与し、1か月後に通常の量を投与した人には90%の効果があった。1か月の間隔をおいて2回とも通常の量を投与した人では62%の効果を確認した。平均で70%の効果があったとしている。 米ファイザーや米モデルナが開発するワクチンは90%以上の効果が確認されているが、超低温でのワクチンの保管が必要だ。アストラゼネカのワクチンは冷蔵保存できるため輸送が容易で、特殊な冷凍設備のない途上国向けにも供給できると期待されている。 このワクチンの開発が成功すれば、日本政府は1億2000万回分の接種に必要な分の供給を受けることになっている。◆英アストラゼネカのワクチン、有効性90%にも 深刻な副作用なし11/23(月) 17:49配信ロイター[ロンドン 23日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカは23日、英オックスフォード大学と共同開発している新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)の中間結果を発表し、深刻な副作用を起こさず感染を予防できる有効率が約90%だと明らかにした。また、年内に最大2億回分のワクチンを製造すると表明。競合の米ファイザーは年内に5000万回分の製造を目指すとしており、アストラゼネカの目標はその4倍に相当する。来年3月末までには世界で7億回分のワクチン供給を目指す。英国とブラジルで実施している後期治験データによると、まず半分の量を投与し、少なくとも1カ月の間隔を置いて全量投与した場合の有効率が90%だった。また、少なくとも1カ月の間隔を置いて計画通りに全量を2回投与した場合の有効率は62%。2種類の投与方式を合わせた分析では平均70%だった。いずれの結果も統計的に有意だとしている。アストラゼネカのワクチン開発関係者は、1回目に半分の量を投与したのは「セレンディピティー(偶然の幸運)」だったと指摘。4月末ごろに英国内の治験参加者に投与した際、疲労感や頭痛、腕の痛みなどの副作用が予想よりも軽度だったことに気付き、調べたところ投与量が計画の半分だったことが分かったが、そのまま治験を継続し、予定された間隔をおいた後に全量を投与したという。ワクチンの安全性について深刻な事象は確認されなかったとしている。アストラゼネカのパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)は声明で「このワクチンの効果と安全性は、COVID-19に対し高い効果があり、現下の公衆衛生の緊急事態にただちに影響を及ぼすであろうことを確認するものである」と述べた。ジョンソン英首相は「信じられないほど心躍るニュースだ」と指摘。議会で「新型コロナからの解放に向け、ワクチンがかつてないほど近づいており、パンデミック(世界的大流行)に終わりがないわけではないことを強調している」と評価した。アストラゼネカは今後、各国の医薬品当局に治験データを提出する準備に入る。また世界保健機関(WHO)の緊急使用医薬品指定も目指す。これと並行して中間データの完全な分析を、査読を行う医学誌に送る。 新型コロナワクチンを巡っては、米モデルナが今月16日に、後期治験で94.5%の予防効果が確認されたと発表。その1週間前には米ファイザーが、独ビオンテックと共同開発しているワクチンの有効率が95%だと発表し、すでに米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請した。アストラゼネカのワクチンは、従来型のウイルスベクターワクチンで、ヒトに対して病原性のない、または弱毒性のウイルスベクター(運び手)に抗原たんぱく質の遺伝子を組み込んだ組み換えウイルスを投与するもの。これに対し、ファイザーやモデルナのワクチンにはメッセンジャーRNA(mRNA)という新技術が用いられている。ワクチン1本分の価格はわずか数ドル程度と、ファイザーやモデルナのワクチンと比べて格安。さらに2─8度での管理が可能で、保存や輸送が容易だという。ファイザーのワクチンはマイナス70度以下の超低温で保存する必要がある。モデルナのワクチンは2─8度で30日間保存できる。英国のハンコック保健相は「ワクチンの配布プログラムの大部分が1月、2月、3月に行われる予定で、イースター(復活祭)以降、状況が正常に戻り始めるよう願っている」と述べた。オックスフォード大学ジェンナー研究所のエイドリアン・ヒル所長は、12月からの英国内でのワクチン展開に向け順調に進んでおり、感染リスクの高いグループに優先的に配布した後、来春には全ての人に行き渡るとした。アストラゼネカの幹部は、英国には年末までに2000万回分、来年3月末までに7000万回分のワクチンが供給されると述べた。インペリアル・カレッジ・ロンドンのダニー・アルトマン教授(免疫学)は、後期治験の断片的なデータを比較すると、アストラゼネカ、ファイザー、モデルナのワクチン効果に大した差はなく、1年後には3つのワクチンを全て使用し、約90%の予防効果が得られるようになるのではないかと話した。*内容を追加しました。◆G20首脳宣言、ワクチン普及や世界経済下支えで連携…「ポスト・コロナの世界を主導」 2020/11/23 01:11 新型コロナ ◆米ワクチン、12月11日にも接種開始…政府担当者がCNNで見通し 2020/11/23 00:45 新型コロナ ◆ワクチン特許権の国際管理、首相が支援表明…G20首脳会議開幕 2020/11/22 00:41 新型コロナ 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エール大学からの説明を読むと、インフルエンザワクチンの有効性が59%で、はしか、おたふく風邪、風疹のワクチンの有効性は95%と説明している。その上で、90%の有効性について「エクセレント」とコメントを寄せている。確かに、はしかや風疹のワクチンは日本でも行われているが、接種を受けるとその後ほとんど病気にならずに済む。新型コロナウイルスでそれだけの効果があれば望ましく思える。 ファイザーの報告が国際的に安堵感を与え日米で株価を上げたが、時を置かずにほぼ同等の高いワクチンの有効性を示す結果が他社からも出てきた。11月16日、米国製薬企業のモデルナが、ワクチンの有効性を「94・5%になった」と発表したことだ。モデルナの発表で特筆すべきなのは、結果が詳細に伝えられたところだろう。 まず、同社は3万人以上を対象としてワクチン候補とワクチン候補を含まないプラセボを比較する臨床試験を進め、このたび95人の感染者を確認した時点での中間評価を報告した。感染者がプラセボグループで90人、ワクチン候補グループで5人だったと説明している。ここから94・5%と計算している。重症化した事例は11人すべてがプラセボグループだったとも報告した。 有害事象は軽度から中等度が多かったが、2%程度で重い有害事象が起きると説明している。その内訳は、2回接種するうち最初の接種による接種部位の痛みが2・7%。そのほか2回目の接種によるものとして、けん怠感が9・7%、筋肉の痛みが8・9%、関節の痛みが5・2%、頭痛が4・5%、何らかの痛みが4・1%、接種部位の赤みが2・0%としている。こうした有害事象は全般的に短期的なものだった。株式会社ステラ・メディックスの講演資料より抜粋 こうした結果を受けて、モデルナではワクチンの安全性と有効性がうかがえると解説している。 ▽ 動物のコロナにはワクチンがある アストラゼネカはオックスフォード大学とともにワクチン開発を進めているが、11月18日にフェーズ2という最終段階一歩手前の臨床試験の結果を論文発表した。対象者は560人で、主に安全性や免疫反応を報告している。企業が発表したプレスリリースとは異なり査読を経た内容で中立性が高いのが特徴だ。 これによると、注射部位の痛み、発熱感、筋肉痛、頭痛は、年齢層によって6~9割で見られるが、ワクチン接種に関連した重い副反応はないと説明している。免疫反応はワクチン接種によって適切に引き出すことに成功しているとも説明している。 筆者は獣医師免許を持つ立場から情報発信をしているが、ブタ、ウシ、イヌ、ニワトリでは、コロナウイルスに対応したワクチンがある。これまでの報告からは人でもワクチンが成り立ちそうだと期待できる。筆者が以前同欄に寄稿したように(新型コロナ検査、ボトルネック越える3つの光明 インフルエンザと同時流行への備えは確かか https://www.47news.jp/47reporters/5307578.html)まだ越えるべき課題がすべて解決したわけではないが、ワクチンの研究の進捗は光明と言える。▽ 臨床試験、世界で4千件 新型コロナウイルス感染症の感染者は11月20日の時点で、世界で累積5751万人、死者は137万人に上った。1日当たり、世界で約70万人の新規感染者が報告され続けている。 これまでの統計では全体では致死率2%ほど。年齢によって大きく変わり、18歳未満だと致死率は0・04%という結果も出ているが、50代2%、60代10%、70代20%、80代30%と高齢になるにつれて致死率は上がってくる。重症化や死亡をいかに防ぐかは重要になる。その意味でワクチンと並行して治療薬の開発も求められている。ここも見通しは決して闇ではない。 新型コロナウイルス感染症の治療薬開発を見ていくと、その原点は1960年のコロナウイルス発見に遡り、さらに2002年のSARS発生から研究は広がりを見せた。02年から新型コロナ発生以前の19年11月までに発表された、SARSの医薬品開発に関する論文は簡単に調べただけで1800件以上ヒットする。これを土台にして新型コロナウイルス感染症の治療薬の開発も進んでいる。20年11月20日までに報告された新型コロナウイルス感染症の薬に関する論文は、8041件に上る。世界の臨床試験のデータベースClinicaltrials.govによると、新型コロナウイルス感染症に関係した臨床試験は世界で3977件になっており、日々増え続けている。 新型コロナウイルス感染症は約3万のRNAから成り立っている。それをずらりと並べると、こんな文字の羅列からウイルスが生み出されて、世界が翻弄されているのかと不思議になる。逆に言えば、ウイルスの正体はすべて白日の下にさらされている。そこからどんなウイルスの本体ができるのかも見えている。それをいかに抑制するかが重要になる。「もはや怪物ではない」という印象を人に与えるとしたら、その理由はこうした変化にあると考えている。 ▽トランプ氏が受けた抗体カクテル、進むアプローチ これまでの研究のデータを見て、新型コロナウイルス感染症の治療薬開発は大きく2つのアプローチで進んでいると考える。またその中で、6つの領域があると見ている。 2つのアプローチとは「ウイルスに働きかける」と「宿主側に働きかける」。宿主とは、ウイルス感染を受ける人を指す。まとめると次の通り。1. ウイルスに働きかける 1、 ウイルスに対して結合する抗体医薬2、ウイルスの細胞への侵入、融合を阻止する薬剤 3、ウイルスの増殖を抑制する薬剤 4、ウイルスに対する免疫を強化する薬剤2. 宿主側に働きかける 1、 体内の過剰な免疫反応を調整する薬剤 2、 合併症を軽減する薬剤 1ー1のウイルスに対して結合する抗体医薬は、米国大統領選の最中に新型コロナウイルス感染症にかかったトランプ氏の治療で有名になった。抗体カクテルという、複数の抗体を組み合わせて使うものだ。抗体は、人が元々体内で作り出す異物に対抗するための「Yの字」の形をしたタンパク質だ。ウイルスに結合して、ウイルスの感染を阻止する。日本でも徳島大学が抗体カクテルの開発に乗り出しているほか、抗体医薬の開発は、東京大学や京都大学などが次々と乗り出している。 1-2のウイルスの細胞への侵入、融合を阻止する薬剤は、やはりトランプ氏が効果を強調していたマラリアの薬として使われた「クロロキン」が有名だ。これはウイルスが細胞に侵入するのを阻止する効果があると考えられている。日本では小野薬品工業が、カモスタットメシル酸という膵炎の薬を新型コロナウイルス感染症の治療に開発している。これはウイルスが細胞に侵入、融合するのを阻止すると考えられている。 1-3のウイルスの増殖を抑制する薬剤は、ウイルスが自分のコピーを増やして、数を増やす細胞内の機能を止める薬剤だ。これで有名なのは、日本でも承認されているレムデシビル、また承認申請が出されているアビガンなどがある。いずれもウイルスの増殖を阻止する薬剤となっている。 1-4は、ウイルスに対する免疫を強化する薬剤。ウイルスの感染した細胞を攻撃する免疫細胞を治療に使うものを言っている。日本では、九州大学が「GAIAー102」というナチュラルキラー細胞という免疫細胞を新型コロナウイルス感染症の治療に応用する研究を進めている。 2-1は、体内の過剰な免疫反応を調整する薬剤。新型コロナウイルス感染症の重症化する人は、体内の免疫反応が強くなりすぎて、全身症状の悪化につながっている。この免疫を防ぐために、例えば、リウマチの薬として使われてきたトシリズマブという薬が効果がありそうだと考えられている。2-2の合併症を軽減する薬剤は、新型コロナウイルス感染症の免疫反応などで、血液が固まりやすくなったり、逆に血球が壊れたりする悪影響を直すものだ。心臓の病気で既に使われている薬剤の応用が盛んに研究されている。 ▽研究開発をペースアップさせる新技術 現在の薬剤研究は、別の病気の治療で使われている既存の薬剤を新型コロナウイルス感染症の治療に転用する「リパーパス」が進んでおり、全体を加速させている面がある。さらに、情報技術を用いて、コンピューター上で、新型コロナウイルスの立体的な構造を明らかにして、それに対応した薬剤を作っていく「バーチャルスクリーニング」など多様な研究手法の進歩を生かして研究開発が進む。 医薬研究は一般的に10年以上の年月をかけて研究開発が進むとされるが、こうした研究の果実を生かすことで、どこまで時間を短縮できるかの勝負が今進んでいる。 新型コロナウイルスの実態、それに合わせたワクチンや薬剤開発の進捗を見ると、混迷ばかりではなく、希望も間違いなくあることを確認することができる。 ■参考文献PFIZER AND BIONTECH ANNOUNCE VACCINE CANDIDATE AGAINST COVID-19 ACHIEVED SUCCESS IN FIRST INTERIM ANALYSIS FROM PHASE 3 STUDY https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-announce-vaccine-candidate-againstPfizer vaccine, which early data found to be 90 percent effective, enrolled patients in Yale trialshttps://yaledailynews.com/blog/2020/11/13/pfizer-vaccine-which-early-data-found-to-be-90-percent-effective-enrolled-patients-in-yale-trials/Study to Describe the Safety, Tolerability, Immunogenicity, and Efficacy of RNA Vaccine Candidates Against COVID-19 in Healthy Individualshttps://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04368728Moderna’s COVID-19 Vaccine Candidate Meets its Primary Efficacy Endpoint in the First Interim Analysis of the Phase 3 COVE Studyhttps://investors.modernatx.com/news-releases/news-release-details/modernas-covid-19-vaccine-candidate-meets-its-primary-efficacyA Study to Evaluate Efficacy, Safety, and Immunogenicity of mRNA-1273 Vaccine in Adults Aged 18 Years and Older to Prevent COVID-19https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04470427Ramasamy, Maheshi NAboagye, J. et al.Safety and immunogenicity of ChAdOx1 nCoV-19 vaccine administered in a prime-boost regimen in young and old adults (COV002): a single-blind, randomised, controlled, phase 2/3 trial.The Lancet.Published:November 18, 2020.https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)32466-1◆ミスで半分だけ投与…アストラゼネカワクチン「奇跡」を起こした=韓国報道11/24(火) 8:00配信WoW!Korea投薬ミスによる幸運がアストラゼネカワクチンの効能を高めたとロイター通信が23日(現地時間)報道した。元々患者に投与する規定量の半分を誤って投与したことがワクチンの効能を引き上げたのだ。前日アストラゼネカは、ワクチンの効能が平均70%、最高90%だと発表した。アストラゼネカは、参加者2万3000人中コロナ感染者131人を対象に、投与方法を変えて試験を行った。一部には、規定量の半分だけ投与した後、一か月後に規定量を投与した。残りの参加者には一か月間隔で二回とも規定量を投与した。その結果、初めに半分だけ投与したときは約90%の効能を示し、規定量を完全に投与した時は62%の効能を示した。しかし規定量の半分を投与したのは間違いから始まったのだという。アストラゼネカの研究開発責任者はロイターとのインタビューで、「患者に規定量の半分を投入したのは、単に偶然」と述べている。実験で誤って規定量の半分を投入されたグループが、結果的に良い効果を得たのである。アストラゼネカのパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)はこの日、「今回のワクチンの有効性と安全性は非常に優れている」とし「来年、最大30億回分のワクチンを生産できるように製造を急いでいる」と述べた。ソリオCEOは「臨床試験が終了後、全世界の当局に緊急使用の承認のための資料提出を準備する」とし「ワクチンの使用が開始されれば今のコロナによる緊急事態に即時に影響を与えるだろう」と自信を表明した。Copyrights(C) News1 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