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カテゴリ:読書
十代の後半、僕はどうやら「ぶさいく村」に生まれたんだという事を理解しました…
こんな感じで始まる「ごあいさつ」という形の前書きが面白かったので読んでみた。 シナリオ形式の文字通り戯曲。 恋愛のカリスマである人気女性脚本家が、人気のある作品ではなく名作を書きたいがために、周囲を巻き込んで恋愛の実体験をしながら本を書き上げる…おおまかに言えばこんな話。 ほとんど一気に読みあげた。 これを読んで三谷幸喜の映画だけど「ラジオの時間」を思い出した。 「ラジオの時間」は、三谷さんが作家としての常日頃の作品に対しての思い入れや、周囲の雑音にいかに振り回されて妥協しながらも作品を作り上げているんだ…みたいな想いや気合がわかる作品。 この恋愛戯曲も作者の思いは同様で、「比べちゃイカン」と思うけど、行きつく所が同じなのでつい比べてしまう。 「私の作品は記憶に残らない、名作を書きたい!」 この本、面白いんだけど、主人公のいうこの台詞同様あまり記憶に残らない内容。 これを読んでいて、この台詞は作者自身の心に叫びに思えた。 まあ一つでも心に残る台詞があるだけでもすごいと言えばすごいけど… 舞台用の脚本なので色々演出上の制約なんかがあって、やりたい放題に出来ない部分は考慮するけど、「ラジオの時間」を見た後では、なんか遠慮がちなシナリオだなーと思えてしまう。 それに「恋愛戯曲」というタイトルから受けるイメージと内容がどうもねー… 面白いけど60点と言う所か… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年08月12日 13時42分28秒
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