お買い物の神様改め「酒と音楽と映画の神様」

また一人好きな脚本家が枯れてしまった。
年をとって枯れるのは仕方ない事。
でもそれを認めないのはみっともない事だと思う。
例えば子供がおばさんと呼んでいるのに
無理やり「お姉ちゃん」と呼ばせるような…

北川江吏子は私の好きな脚本家の一人だった。
キムタクとコンビを組み、彼の魅力を最大限に引き出したのは
北川さんの力だと思う。

でも今の亀梨に北川マジックがもはや効かない事は、
かろうじて１０パーセント台を保持している視聴率が物語っている。

明らかに韓国ドラマを意識した、
信じられないほど古めかしい設定。
キャラクターに合っているのは、亀梨の友達役の二人だけと言う切ない状況。

「あんたじゃなきゃダメなんだ」
なぜ北川さんはあんたという一人称を亀梨に言わせるのか？
この一人称はキムタクのためのものだろう…
同じ脚本家が書いているから、
似ているキャラクターになるのはわかる。
でも「たったひとつの恋」に至っては、
主役の二人のキャラは昔見たドラマの焼き直し。
それよりもむしろ、お母さんの心情やヒロトの弟の心情の方に、
作者自身が感情移入しているように思える。
お母さんになった北川さんだから、
お母さんならではの視点で「恋愛の教祖」
としての新境地を開こうとしたのかもしれない。

でも正直このドラマ、「家族」がやたらと出すぎるあたり、
明らかに韓国のパクリだし、
ヒロトの弟が一番深い事を言っているのは、
やはりお母さんならではの北川さんの子供に対する想いが
ドラマに反映してしまったように思える。
恋愛をしている主人公に感情移入できなくなったのなら、
「恋愛の教祖」の地位は降りた方が楽なんじゃないか…

恋愛に現を抜かしている二人にとっては、
毎日がドラマの連続で、家族の気持ちなど入るすきはないのじゃないだろうか…
シェイクスピアを敬愛する北川作品の現代版
「ロミオとジュリエット」
家族の方に視点が行き過ぎていて、
どうも主役の二人にはまれない。

文句を言い出せばきりがないが、
要潤はあの役にはあわないだろう…
今時お金持ちのお嬢様が貧乏青年と恋をするのは、
スタージュエリーのむしろ広告になりはしても、
スキャンダルにはならないんじゃないか・・・　

昔の北川さんで亀梨ドラマを見たかったです。