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2008年03月17日
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カテゴリ:読書
ノンフィクション作家山崎朋子の
大ベストセラーとなったドキュメンタリー
「サンダカン八番娼館」を読んだ。


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明治時代、天草からボルネオのサンダカンに
「からゆきさん」としてわたった女性への聞き取り調査を基に書かれた作品。
『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、
からゆきさんとは、
19世紀後半に、東アジア・東南アジアに渡って、
娼婦として働いた日本人女性のこと。
長崎県島原半島・熊本県天草諸島出身の女性が多く、
その海外渡航には斡旋業者(女衒)が介在していた。
…と説明されている。


主に話をしているおサキさんの、
貧しいけど、ある意味菩薩のような境地…キャラクターには
惹かれるものがすごくあるのだけど、
正直言って、そのおサキさんの聞き取り手である
作者の、失礼ながら未熟さが垣間見えてしまう作品だと思った。

ムカデが沸いているような畳の家に住む
おサキさんの心に寄り沿う(取材する)には、
そのムカデの畳の家に上がりこみ、
そこでおサキさんと同じ食事とは言いがたい
貧しい食事を摂り、眠り、
ある時期一緒に生活をするしかないと考えた心意気は
作家として高く評価するし、すごいと思った。


でもなんていうのかなー…
作家が何度となく文中に出している
「底辺女性史」という観点で見るなら、
どうしても、今で言う「上から目線」的なニュアンスを感じずにはいられなかった。
ボランティアに参加するとよく思うのだけど、
お金持ちのおばさんが、
障害者に対して向ける「優しい目線」は、
当事者と同等の立場で向き合っているものではなく、
一段も二段も高い所から向き合っているように思える。
残念ながら本書は、
それと似た「教科書」的感動の作品に思えた。


普通の人が読めばそれなりに感動するのだろうけど、
一段低く見られる世界と言うなら、
水商売も同じで、
長い間水商売に身を置いた私としては、
おサキさんの度量の深さには感動したけど、
でも多分それは、そういう世界に身を置いたことのある
女なら、ほとんど誰もが持ち合わせる
「経験から来る優しさ」で、
これを書いた作家がもう少しこちらの世界に
寄り添った事のある人ならば、
もっと違った作品になったのではないかと思えてならない作品だった。

ただこれだけのベストセラーになったのは、
作家は決して「こちら側」の人間ではないにしても、
おサキさんを書きたい!
と思った信念と責任と複雑な思いが
きっと通じたのだろうな…と思った。

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最終更新日  2008年03月17日 14時48分09秒
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