●原作:金原ひとみ
脚本:宮脇卓也(あまりよく知らない人)、蜷川幸雄
原作の「蛇にピアス」をはじめて読んだ時、
山田詠美の「ベッドタイムアイズ」をはじめて読んだ時のような、
サガンの小説をはじめて読んだ時のような、
衝撃を受けた。
金原ひとみはこの若さで末恐ろしい天才だと思った。
山田詠美やサガンのように、
ストーリー重視ではなく、
文体自体が天才型の小説を映像化するのは、
ストーリーに脈略があまりないので、本当に難しい。
山田詠美の「風味絶佳」が映像化された時、
山田詠美ファンとしては愕然としたものだった。
そういう意味で、金原ひとみの小説も
映像化するのは非常に困難だと思っていた。
でも監督を務めるのはあの鬼才と言われる
蜷川幸雄監督...ちょっと興味があった。
いい意味で無駄がなく、ツボをついた脚本だと思う。
ただ、金原ひとみタイプ(山田詠美も同様)の小説が
非常に嫌いな人もいると思うので、
そういう人は見ない方がいい。
この映画は珍しく、原作の匂いを壊さず、かつ
監督の思いに忠実に映像化された映画だと思うので、
嫌いな人が見たら時間を返せ!と思うに違いない。
●役者
ドラマ「白い春」でも重要な役どころを演じている吉高由里子
が主役。
最近は長澤まさみタイプのいい子ちゃん的(昔で言えばぶりっ子?)な
女優さんが多いので、こういう匂いのする女優さんは個人的に好き。
蜷川監督の息のかかった大物イケメン二人(小栗旬と藤原竜也)が、
なんと!チンピラの役で出てきたり、
ちょい役で唐沢寿明が出てきたり、
とにかくチョイ役がめちゃめちゃ豪華。
一言感想
「完璧に好き嫌いの分かれる個性の強い映画。
個人的には、原作の世界観を壊す事なく、
ドラマに仕立てた監督の手腕に100点をあげたい所だが...
多分、原作を読んでいない人にはよくわからない部分が多そうなので80点位かなー」
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