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カテゴリ:映画
「ファースト・マン」(原題: First Man)は、2018年公開のアメリカの伝記ドラマ映画です。ジェームズ・R・ハンセンによるニール・アームストロングの伝記「ファーストマン:ニール・アームストロングの人生」を原作に、デイミアン・チャゼル監督、ジョシュ・シンガー脚本、ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラーら出演で、史上初めて月面を歩いた宇宙飛行士ニール・アームストロングの月面に至るまでの数々のミッションと妻や家族たちとの私生活が描かれています。第91回アカデミー賞で、音響編集、録音、美術、視覚効果の4賞にノミネートされ、視覚効果賞を受賞した作品です。
「ファースト・マン」のDVD(楽天市場) 【スタッフ・キャスト】 監督:デイミアン・チャゼル 脚本:ジョシュ・シンガー 原作:ジェームズ・R・ハンセン「ファーストマン: ニール・アームストロングの人生」 出演:ライアン・ゴズリング(ニール・アームストロング、月面を歩いた最初の宇宙飛行士) クレア・フォイ(ジャネット・アームストロング、ニールの妻、夫を支えるも時に苛立つ) ジェイソン・クラーク(エド・ホワイト、アメリカ人初の宇宙遊泳を行った宇宙飛行士) カイル・チャンドラー(ディーク・スレイトン、マーキュリー計画の宇宙飛行士の一人) コリー・ストール(バズ・オルドリン、ニールとともに月面を歩いた2番目の宇宙飛行士) パトリック・フュジット(エリオット・シー、ニールの同僚の宇宙飛行士、友人) クリストファー・アボット(デイヴ・スコット、ニールとジェミニ8号に乗った宇宙飛行士) キーラン・ハインズ(ボブ・ギルルース、NASAのファースト・ディレクター) オリヴィア・ハミルトン(パトリシア・ホワイト、エドの妻) パブロ・シュレイバー(ジェームズ・ラヴェル、アポロ11号のバックアップ・コマンダー) シェー・ウィガム(ガス・グリソム、マーキュリー計画の宇宙飛行士の一人) ルーカス・ハース(マイケル・コリンズ、アポロ11号の司令モジュール用パイロット) イーサン・エンブリー(ピート・コンラッド、ジェミニ5号のパイロット) ブライアン・ダーシー・ジェームズ(ジョー・ウォーカー、ニールの上司) コーリー・マイケル・スミス(ロジャー・チャフィー、アポロ1号のクルー) クリス・スワンバーグ(マリリン・シー、エリオットの妻) ギャヴィン・ウォーレン(幼年期のリック・アームストロング、ニールの長男) ルーク・ウィンターズ(少年期のリック・アームストロング、ニールの長男) コナー・コルトン・ブロジェット(マーク・アームストロング、ニールの次男) ルーシー・ブロック・スタッフォード(カレン・アームストロング、ニールの娘) マシュー・グレイヴ(チャック・イェーガー、有名なテストパイロット) ほか 【あらすじ】
娘の喪失に苦しみながらも人類で初めて月面に立つという偉業を成し遂げた実在の宇宙飛行士を、デイミアン・チャゼル監督がパーソナルな視点から描いた異色の劇的伝記映画です。 長編デビュー作「セッション」(2014年)に次いで「ラ・ラ・ランド」(2016年)と、音楽を題材にした大ヒット作を放ち、若干32歳と最年少でアカデミー監督賞を受賞したデイミアン・チャゼル監督の第三作は、人類で初めて月を歩いた宇宙飛行士の伝記ドラマと意外な作品でした。この作品でVFXを巧みに使ってみせた彼は三作連続のアカデミー賞受賞を果たす一方で、人類で初めて月を歩いた宇宙飛行士が実は娘の喪失に苦しんでいたというパーソナルな視点や、宇宙飛行士が月面に星条旗を立てるシーンが無いことが話題になりました。畑違いの作品に挑戦したように見える彼ですが、実はこうしたことを含めてこの作品には随所に彼らしいこだわりが込められています。 数少ない宇宙飛行士の実録ドラマ 「宇宙へのフロンティア」(1989年)、「Moonwalk One」(1971年)、「アポロ管制センターの英雄たち」(2017年)といったドキュメンタリー映画を除けば、宇宙飛行士を描いた実録ドラマ映画は驚くほど少なく、本作を含めて三作しか思い浮かびません。 宇宙飛行士を描いた主な実録ドラマ映画
アメリカが国威をかけて行った国家プロジェクトで、前人未到の成果を挙げ、何人もの著名な宇宙飛行士を輩出したにもかかわらず、意外です。「ライトスタッフ」は、アメリカ初の有人飛行計画に応募し、選抜された7人の勇敢な飛行士を描いた群像劇、「アポロ13」は月に向かう途中の爆発事故とその後の幾多の危機的状況を乗り越え、奇跡の帰還を描いた冒険活劇で、いずれも挑戦し、困難を克服する男たちのヒロイズムがベースですが、本作はかなり趣が異なります。 娘の喪失に苦しみながら偉業を達成 チャゼル監督の「セッション」(2014年)、「ラ・ラ・ランド」(2016年)も、夢を果たす為に払う代償や喪失するものがテーマです。音楽を題材にした作品を得意とする彼が宇宙飛行士を描く本作の監督を引き受けたは意外ですが、実は彼は本作を通して夢と喪失というテーマをより深堀りできると考えていました。しかし、原作を読み、リサーチを進める中で、彼は不確定要素ばかりの向こう見ずなミッションの為に、小さな棺桶のようなカプセルに自らを押し込む宇宙飛行士の、尋常では理解し難い気違いじみた勇気に驚愕する一方で、ニールがジェミニ計画に参加する以前に幼い娘を亡くするという、大きな喪失を経験していたことを知ります。これが、「夢を果たす為に何かを喪失する」という彼のテーマを、「娘に喪失に苦しむ宇宙飛行士が偉業を成功させた」というテーマに反転させ、ニールと妻のジャネットや彼の家族といったパーソナルな関係を描くという方向性が定まりました。彼の夢と喪失のこだわりが、本作に彼独自のユニークな視点をもたらしたわけです。 娘に喪失に苦しむ宇宙飛行士が偉業を成功させた 「娘の喪失に苦しむ宇宙飛行士が偉業を成功させた」というのは、突拍子もない仮説ではありません。私的なことには寡黙なニールですが、実は2005年に CBS の 60minutes のインタビューで娘を失ったショックを問われた彼は、次のように答えています。 計り知れないほどのショックを受けました。そんな状況で私がなすべき最善のことは、仕事を続けること、できるだけ普通に続けること、悪影響を最小限に抑え自分の能力を最大限に活かすことことだと思いました。(ニール・アームストロング)この2005年のインタビュー映像のニールの表情に、彼の心の傷が癒えていない様子を垣間見ることができます。娘を亡くしたのが1962年でアポロ11号の月面着陸が1969年ですから、彼が娘の喪失という激しい心の痛みを抱えたまま月面着陸を成功させたことに疑いの余地はありません。 宇宙飛行士は、PPK(Personal Preference Kit)という少量の個人的物品を宇宙船に持ち込むことができます。アポロ11号の出発前のインタビューで、何を持っていくか記者に問われたニールは、「燃料を持っていきたい」と答えています。本作にも取り込まれているこのエピソードが象徴するように、ニールは私的なことや感情を表に出さない性格でした。こうした彼の性格を反映する本作は、月面に立つという遠大な夢や希望に向けて一歩ずつ進む様を感動的に描くと言うよりは、次々に直面する様々な困難を娘の喪失にじっと耐えるかのようにニールが淡々と解決していく様が描かれています。なお、アポロ11号の出発前のインタビューで問われたPPKは、後に本作の大きな鍵になります。 「月とキッチン」 かくして本作には、ジェミニ8号のミッション(1966年)、アポロ1号の事故(1967年)、アポロ11号のミッション(1969年)など、アカデミー視覚効果賞を受賞した素晴らしいミッション映像に並行して、ニールと妻や家族とのパーソナルな関係が描かれており、子役たちのリハーサルの際に撮影されたホームビデオ風の映像も挿入されています。月面への挑戦とパーソナルな家庭を並行して描くこのコンセプトは、「月とキッチン」と呼ばれました。
何故、星条旗を立てるシーンがないのか? 本作には、宇宙飛行士たちが月面に星条旗を立てるシーンがありません。アメリカの一連の宇宙開発は、冷戦下の米ソ宇宙開発競争のさなかにジョン・F・ケネディ大統領が「1960年代中に人間を月に到達させる」と演説を行った、国威と莫大な予算をかけた大国家プロジェクトでした。初めて月に到達した宇宙飛行士たちが月面に星条旗を立てることは、国民にとって特別な意味があったわけです。 国旗を立てる際に旗竿がうまく機能せず、宇宙飛行士たちが手こずったことから、原作の伝記には「危うくパブリック・リレーションの大問題を起こしかけた」と書かれています。 そんな重要なシーンが欠けていたのですから、この映画が公開されるやいなや、愛国的な人を中心に批判が相次ぎました。NASAオリジナルの記録映像は、メディアを通じて世界中に配信、アーカイブされており、我々は様々な機会を通じてこれを目にしています。私はアメリカ国民ではありませんが、やはり、本作に星条旗がないことに肩透かしを食ったような違和感を感じました。しかし、気をつけて見てみると実は月面に立つ星条旗が小さく映っています。 これら三作は、いずれも夢、成功と喪失を描いており、メイン・キャラクターの思いが交錯するエンディングも共通していますが、星条旗は映っている 寂寞とした美しい月面に映る小さな月着陸船と星条旗は、輝かしいニールのミッションと亡き娘の思い出が去来するニールの心と距離感を反映している。 実はチャゼル監督は、月の風景にニール・アームストロングの心情を託しています。 もちろん、ニールにはアメリカ国民の期待を背負って月面に立ったという意識はあったわけですが、幼い娘の喪失に苦しみながら偉業を達成したというパーソナルな視点にこだわるチャゼル監督には、敢えて星条旗にフォーカスし、ナショナリズムやヒロイズムを喚起する理由がなかったのです。寂寞とした美しい月面に映る小さな月着陸船と星条旗は、輝かしいニールのミッションと亡き娘の思い出が去来するニールとの心の距離感を反映しています。 こんな船で宇宙へ? 国威と莫大な予算をかけたプロジェクトを愛国的に描くのであれば、多少なりともテクロジーを賛美する描き方になりますが、娘の喪失というニールの内面に注目するチャゼル監督は、50年前のテクノロジーの心もとなさに注目し、こんな船で宇宙まで行ったのかと、ミッション危険さ、困難さを演出しています(特にジェミニ8号)。 穴ぐらのようなジェミニ8号のコックピット 穴ぐらに身を滑り込ませるという表現がぴったりの狭いコックピット。まさに空飛ぶ棺桶。圧迫感を演出する為、実物大のセットを作詞し、壁などを取外して撮影できるようにしている。 アナログ感たっぷりの薄汚れた操作パネル 液晶パネルによるデジタル式のグラスコックピットを見慣れた目には、アナログ感たっぷりの薄汚れた操作パネルはいかにも信頼性に乏しいように映る。因みに、本作はアカデミー美術賞にノミネートされている。 ジェミニ8号のコックピットに迷い込んだ蠅 実験の為に宇宙に蠅を持ち込んだ例はあるが、このようにコックピットに蠅が紛れ込むようなことが実際にあったのかは不明。とは言え、宇宙船の心もとなさを表現する巧みな演出。 チャゼル監督は、振動や回転にも注目しています。動画クリップ(YouTube)の項に、「ライトスタッフ」、「アポロ13」と本作の発射シーンを挙げますが、本作の振動の描写が最も激しいことがわかります。また、宇宙空間でドッキングするアジェナが打ち上げられる際に、隣接するジェミニ8号の発射塔が揺れるのも効果的な演出です。なお、アジェナとのドッキングの際にジェミニ8号が最大296°/秒のスピンに陥りますが、この時の映像は500°/秒以上の勢いで回転し、回転の激しさを演出しています。実際の発射の際にどれだけ振動するかはわからないのですが、発射シーンの振動にもこうした演出があるかもしれません。 なお、アカデミー視覚効果賞を受賞した本作ですが、実はCGは必要最低限しか使われていません。飛行機や宇宙船の窓から見える景色はグリーン・スクリーンではなく、窓の外に設置された巨大なLEDスクリーンに投影されたものです。セットアップが大変ですが、演技も背景も実際にインタラクティブに撮影できるので、CGよりヴィヴィッドな表現が可能となります。これも本作におけるチャゼル監督の大きなこだわりです。 撮影中でとくに印象に残っているのは、宇宙船の窓から地球が遠ざかり、月が迫ってくるのを目にしたときだ。実際にはモニターに写された景色を見ているのだけど、とてもリアルで、目を見張るような眺めだった。(アポロ11号船長の)ニール・アームストロングが見たものを追体験するような感覚に震えたね。(ライアン・ゴズリング)https://www.gqjapan.jp/culture/movie/20190207/ryan-gosling-damien-chazelle ニールが月に持っていった私品とは? ライト兄弟が初飛行した飛行機のプロペラの木片と翼の布切れ、アポロ1号の事故で死亡し飛行士たちの妻に贈られた階級章などが、アポロ11号に持ち込む私的物品(PPK)用にと関係者から寄贈されましたが、NASAは最終的にニールが月に携行したPPKの内容を一切、公開していません。このPPKの内容について、原作の伝記には次のように記述されています。 (アームストロングは)PPKの中身に関し、いかなる情報も公開したことがありませんでした。 この伝記の出版に際し 彼は内容を明らかにすることに同意しましたが、彼はたくさんの書類の山の中からPPKの目録を見つけ出すことができませんでした。「私のPPKには、アポロ11号の記念メダル、妻と母のための宝石(金製のオリーブの枝)、他の人々のためのいくつかの宝石がありました。」という言葉が、月に持っていったものに関する彼の答えのすべてでした。(ジェームズ・R・ハンセン著「ファーストマン: ニール・アームストロングの人生」) <ネタバレ> 本作ではニールが月面のクレーターの縁に立ち、娘の遺品であるブレスレットをクレーターに投げ込みます。PKKの中身については公表されていませんが、このような機会に愛する人や故人に纏わる物品を携行するのは珍しいことではありません。伝記執筆の為にニール本人を始め様々な関係者の話を聞いたジェームズ・R・ハンセンも、ニールに近かった妹のジューンも、「ニールはカレンの遺品を持っていったかもしれない」と語っています。まあ、ニールの妻ジャネットも、「ニールが息子たちの為に何かを持っていったとは思わない」と語っています。 これは歴史的な記録に基づいたものでありません。月に置いてきたカレンの遺品の記録があるわけではないのですが、周辺の状況から明らかなのです。ニールは月面で10分間の単独行動をとり、無線での会話もせずにクレーターの縁に立っています。そして、彼が誰にも明かしていない私品をひとつか、ふたつ、月に持っていったことも明らかなのです。 もちろん、ニールはそれを決して明らかにしようとはしませんでした。私の想像ですが、これは彼と妻のジャネットの秘密で、他の誰も知らないと思います。私には、ある意味、それがこの話をより美しくしているように思えます。(デイミアン・チャゼル監督)<ネタバレ終わり> こだわりのエンディング 「セッション」ではアンドリューとフレッチャー、「ラ・ラ・ランド」ではセブとミアと、チャゼル監督の作品のエンディングにはメイン・キャラクターのクローズアップがカットバックし無言のままその視線が絡み合います。観客の様々な思いを掻き立てるこのエンディングは、本作にも例外ではなく、地球に帰還後、検疫中のニールと妻のジャネットがガラス越しに面会します。地球に帰還した後にNASAの宇宙飛行士が検疫に入るのは事実ですが、検疫期間中に家族と面会することはありません。つまり、チャゼル監督がアーティスティック・ライセンス(作家が歴史的事実や現実を物語に合わせて設定変更する創作上の特権)を行使までも実現したかった、こだわりのエンディングです。 二人の視線が絡む時間は二分弱と、「セッション」や「ラ・ラ・ランド」よりはるかに長く、無言のまま映し出される所作と表情のシークエンスが圧巻です。ニールは危険な仕事で妻に心配をかけているのが後ろめたいのだろうか、ジェネットは危険な仕事に打ち込む夫のカバーに張り詰めているのだろうかと、様々な思いを掻き立てられます。常に生命の危険と背中わせの宇宙飛行士は、その4人に3人が離婚するそうですが、配偶者が危険な仕事をする夫婦の緊張感がこのシーンから伝わってくるようでもあります。 ジャネットを演じたクレア・フォイは、「ミス・シェパードをお手本に」にソーシャル・ワーカー役として出演していますが、ノーマークでした。このシーンの、大きな目を見開いた無言の表情と所作に、それまで気づかなかった彼女の魅力が一気に全開した印象です。ジャネットは自分を自慢したり、正当化することがなく、自分が正しいと思ったこと、感じたことを黙々と行う女性だったと言います。古風な20世紀の女性ですが、その心の襞を演じられるのはイギリス人女優ならではかもしれません。 前作に劣る作品か? トーンが暗く淡々としている、月面に星条旗を立てるという重要なシーンが欠落しているなどの理由で、本作を彼の前二作に比較して劣ると受け止めている人が少なくないようです。30代の監督が三作続けてアカデミー賞にノミネートされるのは珍しいことと思いますが、そんなハイレベルな作品のアカデミー賞のノミネート数、受賞数を比較すると、確かに本作は最も少なくなっています。
本作は決して手が抜かれているわけではありません。原作のジェイムズ・R・ハンセンはピューリッツァー賞に二度、ノミネート、監督のデミアン・チャゼル、脚本のジョシュ・シンガー、撮影監督のリヌス・サンドグレン、編集のトム・クロス、作曲のジャスティン・ハーウィッツ、制作総指揮のスティーヴン・スピルバーグはいずれもオスカー受賞者と強力な布陣です。また、本作におけるチャゼル監督の狙い、挑戦、達成度、そして表現力は天下一品で、私は決して前二作に劣る作品ではないと私は思っています。
また、9.11以降、世界のリーダーシップをとれなくなったアメリカですが、かつての強いアメリカのナショナリズム、ヒロイズムへのノスタルジーは根強く残っています。米ソの宇宙開発競争を知らないポスト冷戦世代で、反トランプのリベラルなオーストラリア人監督のチャゼルは、アメリカ人のこの微妙な心の襞を見損なっていたようです。アメリカ人の琴線に触れる重要なシーンであるにもかかわらず、アポロ11号に固有なイベントではないと理由で、チャゼル監督は国旗を立てるシーンを省いてしまいました。冒頭に触れましたが、宇宙飛行士の実録ドラマ映画は少なく、月着陸を描いたものは本作が初めてです(「アポロ13」は月面に着陸していない)。アメリカ人ではない私でも違和感を感じたくらいですから、月面に国旗を立てるシーンが無いことに落胆したアメリカ人は決して少なくないと思われます。 驚くべき才能の持ち主でありながら、市場の受容をほんの少し読み違えた観のあるチャゼル監督ですが、
ライアン・ゴズリング(ニール・アームストロング、月面を歩いた最初の宇宙飛行士) ライアン・ゴズリング(1980年〜)は、カナダの俳優、ミュージシャン。ドラマ映画「きみに読む物語」(2004年)への出演で注目され、「ハーフネルソン」(2006年)でアカデミー主演男優賞に、「ラースと、その彼女」(2007年)、「ブルーバレンタイン」(2010年)、「ラブ・アゲイン」(2011年)、「スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜」(2011年)でゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされている。「ラ・ラ・ランド}(2016年)でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞、2度目のアカデミー主演男優賞にノミネートされている。 クレア・フォイ(ジャネット・アームストロング、ニールの妻、夫を支えるも時に苛立つ) クレア・フォイ(1984年〜)は、イギリスの女優。2008年にテレビ・ドラマ・シリーズで映画デビュー、2011年に映画デビュー。2015年のBBCのテレビ・ドラマ・シリーズで注目されるようになり、2016年からNetflixのシリーズ「ザ・クラウン」でエリザベス2世の若年期を演じ、ゴールデングローブ賞女優賞を受賞、2018年にはエミー賞を受賞している。「ミス・シェパードをお手本に」(2015年)、「アンセイン 〜狂気の真実〜」(2018年)などに出演している。 ェイソン・クラーク(エド・ホワイト、アメリカ人初の宇宙遊泳を行った宇宙飛行士) ジェイソン・クラーク(1969年〜)は、クィーンズランド州出身のオーストラリアの俳優。デビュー後、テレビ・ドラマ・シリーズでゲスト出演し、その後、映画に出演するようになる。「裸足の1500マイル」(2002年)、「ゼロ・ダーク・サーティ」(2013年)、「猿の惑星: 新世紀」(2013年)、「マッドバウンド 哀しき友情」(2017年)、「チャパキディック」(2017年)などに出演している。 カイル・チャンドラー(ディーク・スレイトン、マーキュリー計画の宇宙飛行士の一人) カイル・チャンドラー(1965年〜)は、ニューヨーク出身のアメリカの俳優。「キング・コング」(2005年)、「SUPER8/スーパーエイト」(2011年)「アルゴ」(2012年)、「ゼロ・ダーク・サーティ」(2012年)、「いま、輝くときに」(2013年)、「キャロル」(2015年)、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(2016年)、「ゲーム・ナイト」(2018年)などに出演している。 オリヴィア・ハミルトン(右、パトリシア・ホワイト、エドの妻) オリヴィア・ハミルトンはアメリカの作家・女優。プリンストン大学で経済学・財政学専攻、ゴールドマン・サックスでインターンを経験する。イタリア語、フランス語を話す才媛。2009年に卒業した後、2010年まで客員研究員として北京に滞在、その後、ロス・アンジェルスのマッキンゼーで2012年まで働く。2013年には自己啓発を支援する組織を創設する一方で、短編映画に出演する。「ラ・ラ・ランド」(2016年)に小役で出演、デイミアン・チャゼル監督と知り合う。2018年、デイミアン・チャゼル監督と結婚する。 【サウンドトラック】 「ファースト・マン」のサウンドトラックCD(楽天市場)
【動画クリップ(YouTube)】
「ファースト・マン」の原作本(楽天市場) デイミアン・チャゼル監督xライアン・ゴズリングのコラボ作品のDVD(楽天市場) 「ラ・ラ・ランド」(2016年) デイミアン・チャゼル監督作品のDVD(楽天市場) 「セッション」(2014年) ライアン・ゴズリング出演作品のDVD(楽天市場) 「ラースと、その彼女」(2007年) 「ブルーバレンタイン」(2010年) 「ドライブ」(2011年) 「スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜」(2011年) 「ラブ・アゲイン」(2011年) 「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」(2012年) 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(2015年) 「ナイスガイズ!」(2016年) 「ブレードランナー2049」 クレア・フォイ出演作品のDVD(楽天市場) 「ミス・シェパードをお手本に」(2015年) 「アンセイン 〜狂気の真実〜」(2018年) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019年12月21日 05時00分06秒
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