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カテゴリ:健康
母が以前入院していた病院で大変お世話になった方から、
酵素玄米のおにぎりを頂き、興味を持ったので調べることにしました。 長岡式酵素玄米は、湯川レイ子さん、サンプラザ中野さんなどの有名人や、 長野県飯縄高原にある水輪でも活用されたり、 健康に関心のある人には有名なので、気になっていました。 <長岡式酵素玄米とは> 埼玉県川越市にある、この会が普及しているもののようです。 長岡式酵素健康の会 http://www.n-kousogenmai.co.jp/index.html 作り方については、こちらのブログで丁寧な説明があります。 ねるちゃんねる http://nellchan.cocolog-nifty.com/blog/cat7995577/index.html 本当は講習会に行って検証するべきですが、 上記サイトで詳しく説明されてましたので私は行ってません。 結局私はこういう結論に至りました。 ・玄米を炊いた後に3日以上発酵させることで栄養価を上げる点は評価できるが、 長岡式で販売している圧力鍋や玄米、小豆、塩などを使わなくても 物理的には同等のことが実現可能。 ・有機ゲルマニウムが発生するなど、 説明に非科学的な要素が含まれている点は改善を望むが、 全体としては適正価格で販売しているし、 酵素玄米という体にいい食品を普及する活動としては評価できる。 総論では賛成、各論では異議ありの部分もある、という感じです。 それでは私が疑問に思ったことを具体的に考えます。 <本当に玄米が発酵されるのか> 長岡式酵素玄米では、炊飯後に75度で3日以上保温させて、 玄米を発酵させてます。 炊飯する時に120度くらいになり、その後75度という高温で保温して、 本当に発酵するのか?と最初は大いに疑問でしたが、 これはあり得そうです。 ここのサイトがとても参考になりました。 発芽玄米炊飯器AmaterasuのHP http://www.ricecooker.jp/ (ちなみにここの炊飯器、自動で発芽させて炊飯できるので、 楽に作りたい人にはとてもよさそうです! 他のサイトで同等品が2万円以下であるようです。) ここの説明によると、玄米に付いている菌は高温菌であり、 炊飯時にも多少は生き残り、70-73度で最も活発に発酵するそうです。 であると、75度で保温することは発酵させるのに適温であるし、 この温度であれば腐敗菌は生育できないので腐らず発酵可能だと思います。 実際、良質の堆肥を作る際にも、 75度近くまで温度が上がる方がよいとも言われますが同じ原理でしょう。 また実際に発酵玄米を食べても、 発酵した味だというのはすぐに分かりますので、 おそらく本当に発酵しているでしょうし、 これこそが長岡式酵素玄米の最も優れている点だと思います。 <サンナトリウムという特別な塩でかき混ぜる事に意味があるか?> 次に玄米と水にサンナトリウムという特別な塩を入れて、 3分以上かき混ぜる作業が必要なのかを考えてみます。 摩擦によって外皮のセルロースに傷がつき、 水も浸透しやすくなるそうですが、 この点は同意します。 次からがちょっと微妙です。 「米も人間も電気を帯びていて、米の周りは+。 塩を入れてかき混ぜることによって、塩の-電子で、 米のなかに天日干し塩の持っている光分子を入れる」 「サンナトリウム小さじ中山を仕掛米に混ぜ合わせる (1)この塩の中に莫大な光分子が含まれていますから、 それを均等に全玄米に吸収させるようにアワ立て器でかきまわして、 水が汚るまで (三分間以上) 続けて下さい。静電気の分解作業です。」 米が+に帯電している事は、直接的なデータは入手出来ませんでしたが、 米粒が摩擦によって静電気が帯電していることは考えられます。 実際に静電気によって、米袋に米粒がよく付着してますから。 ただし、玄米を水で洗うだけでこの静電気は水に逃げて解消できますから、 サンナトリウムを使う必要もありません。 また、静電気によって米粒に汚れが付着していることも考えられますが、 これも洗米で汚れは落ちるでしょう。 また、天日干しの塩の持っている光分子を米に入れる、 という点がよく分かりません。 光は分子ではありませんので、 日の光を浴びた塩に光という分子が付着するということはありません。 太陽光を浴びる天日干しで塩にいい作用が発生することはあるでしょうが。 この点は精神的に解釈するべきではないでしょうか? 太陽の恵みを浴びた天日の塩により、 太陽の恵みが米に浸透するイメージを持ってかき混ぜる、 という説明にすればオカルトと言われないで済むのに、と思います。 多少説明に残念な点がありますが、 かき混ぜることに意味があるという点には同意します。 水が浸透しやすくなるでしょうし、 表面の汚れが落ちますし、 もしかすると表面に小さな傷がつき発酵を促進するかもしれないからです。 ただ、サンナトリウムという塩を使うことについては、 特別な成分が含まれていたり特別な処理がされてない限り、 同等の天日干し塩で十分と思います。 サンナトリウムは特殊な処理をされているということですが、 どんな処理かはよく分かりません。 <有機ゲルマニウムが発生することはあるのか> 長岡式酵素玄米はいいものなので普及してほしいのですが、 有機ゲルマニウムが発生するという説明はひたすら残念です。 玄米を圧力釜で炊くときに、点火してから38分後、重りが静止した頃に、 「そのとき釜の中が真空で磁場からオーロラ現象が発生、 瞬間一、二〇〇度、光分子が電子となり有機ゲルマができる」 と説明されてます。 まず、圧力釜ですから瞬間でも真空にはならないでしょう。 最高2.35気圧ほどの圧力がかかっていますから。 もし確かめるなら、その瞬間に重りを外したら分かります。 真空なら空気が入っていくでしょうが、 実際は空気が勢いよく出て行くはずです。 高磁場でオーロラ現象が起きるということですが、 オーロラ現象とは何かを考えてみましょう。 オーロラ現象とは、太陽での爆発により地球にやってくる太陽風に、 超高速の荷電粒子(プラズマ)が含まれており、 これが地球の大気中の酸素や窒素分子にぶつかるのですが、 このとき酸素や窒素の電子が励起され(エネルギーの高い軌道に移る)、 高エネルギー状態になったままでは不安定なために、 光を発して電子が元の軌道に戻るものです。 このときの光がオーロラです。 ちなみになぜオーロラが極地方でしか見られないかというと、 他の地方では地球の地磁気によって太陽風の荷電粒子が遮られているからです。 ちょうど極地方には地磁気が至らない空間があるから、 そこから荷電粒子が入ってきて大気と衝突し、オーロラ現象が発生します。 従って高磁場の場所では荷電粒子は遮られるからオーロラは発生しないし、 そもそも超高速の荷電粒子が圧力釜で発生する事はないでしょう。 太陽と同じく中の温度が6000度くらいになれば発生する可能性はありますが、 120度くらいにしかならない圧力釜ではとても難しそうです。 そしてオーロラ現象がたとえ発生したとしても、 有機ゲルマ、つまり有機ゲルマニウムは発生しないと思います。 オーロラ現象は分子の中にある電子を励起させるだけですから、 別の物質がゲルマニウムに変わるためにはエネルギーが少なすぎます。 それこそ原子炉並の高温を実現しないと、 有機ゲルマニウムは発生しないでしょう。 そうなるともうお米も跡形もないでしょうが。 従って有機ゲルマニウムの効果は期待しない方がいいでしょうし、 せっかくの玄米普及活動を否定されかねないので、 できればこの説明は改善を望みます。 長岡式酵素玄米がオカルトと否定されるのは 主にこの部分の説明のためでしょうから、 大変残念に思います。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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