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しあわせのしっぽ

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2007.05.02
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カテゴリ:小さなしあわせ



最寄り駅近くには
魚屋さんがあって、
どうやらそこで
ごはんをもらっているらしい
猫がいる。


彼女はバタ臭い毛の長さの
キジトラで、
とても毛づやが良い。


半ノラらしく、
私たちが声をかけても完全無視だが、
魚屋さんには甘ったるく鳴いてみせる。
おいしいものをくれる人を
ちゃんとわかっているわけだ



また彼女は大変礼儀正しくて、
魚をおねだりするときも
絶対に店内には入らずに、
サッシのレールよりも外側に
びしっと座って
うんと甘い声を出す。



あんな風に甘えられている魚やさんを
うらやましく思いつつ、
彼女を見かけるたびに
必ず声をかけて通り過ぎていた。
彼女はいつも
涼しい顔で無視していたけど




仕事の帰り道、
駅の駐車場を出るところで
彼女と出くわした。


いつもの習慣で、
「やあ」と声をかけた。


うにゃーん





初めて返事をした!


じゃあ、じゃあ、、、


そっと手を差し出すと、
ふんふんとにおってから
すり寄ってきたではないか。


おぉぉぉぉぉハート



「おさかな、もらってきたの?」

うやーん

「そうなの、良かったねぇ
おいしかったの?」

にゃぁーん


道ばたにしゃがみ込んで
猫を撫でくり回しながらしゃべる私を、
男の子が心なしか避けて通ったようだが、
しあわせに浸っている私はお構いなしだ。
通路は塞いでいないもの


あの子はまた私と
お話ししてくれるかしらね?

気が向いたら相手をしてくれるんだろうな。
何しろ猫だから。






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Last updated  2007.05.02 22:19:13
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