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ギブスはすでに包帯に変わっていた。
あまり不自由な感じも見せず、ビールを何杯もついでくれた。 利き手でないほうの右手で上手に箸を使っていた。 女性に頼らない一人暮らしはかなり快適度が増したようだ。 ボタンのつけ方をインターネットで調べて自分でボタンをつけられたときの達成感は大きい、と嬉しそうに話していた。 今は、家に帰ると毎日同じ女性がそこで待っているなんていうことは面倒くさくて考えられないと言った。 何でも自分でやってしまうことに至上の幸福を見出している。 今はこれでよいのだろう、きっと。 久しぶりだったのでかなり長時間、正確には6時間一緒にいて延々と会話は続いた。 一軒目の店を出た後、路上で軽くキスをした。びっくりした。 嬉しかったので繁華街の路上でおねだりしてみたら立ち止まってくれたのでもう一度キスをした。 まだまだ話したりないことも山ほどあったが、今回感じたのは、今まで私が魂とか人生の課題みたいな話をすると真っ向から胡散臭いと否定的な反応を示していたのに、最近は反射的に拒絶反応みたいなものを前置きとして見せつつも、別の人からかなり整然とこの手の人生に対する考え方を説明されて一応納得したこともあってか、確かにそうかもしれない、と彼が一応肯定的な反応をするようになったこと。 たとえば以前彼は「一つの魂が何度も生を受けてこの世に生まれてきてはそのときそのときの課題を達成するっていったって、じゃあその魂って正確にはいつから始まったわけ」みたいな屁理屈のつっこみを入れてきたので、それに対しては「そんな風に考え出したらきりないよ。じゃあ少子化になって人口が減ったら魂の数があぶれちゃうんだろうとか。そういうところに目を向けるんじゃなくって、今自分の人生に実際に起きている現象に対してどういう捉え方をするかってときに納得のいく考え方として取り入れればそれでいいじゃない」と返しておいた。 仕事の話、夫婦の話、他人の夫婦の性生活、食べ物、などなどあれこれについてたわいもない話は途切れることがなかったが、夜もかなり更けていた。 最後に路上で、ちょっとだけ長いキスをした。 でも、まだまだ敵の歯止めはよく効いている。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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