カテゴリ:仕事
勤めていた図書館を辞めるまで、あと一週間。
来館するお客さんには、そんなことは全く言っていませんでした。 そんな時。 いつも来てくれる、小学生の姉妹。 上のお姉ちゃんは4月で5年生。 よく本を読む子で、質問とか、こんな本は無いかと何回も訊かれたことがありました。 下の子は3年生ぐらいかな~。 マンガ専門で、「この続きはないんですか?」とよく訊かれました。 私が第一部完結まで寄贈したマンガで、続きは入る予定がないと言うと、 続きが知りたいというので、第二部と第三部のあらすじをざっと教えました。 その後、上のお姉ちゃんが、 「最近、面白い本がないんですよね~。何かオススメないですか?」 と訊いてきました。 「ジャンルは?」と訊くと、 妹が、「ミステリーとかサスペンスだよね!」とすかさず突っ込み、 姉が、「うーん・・・」と迷った後、「ファンタジー系で!」と言ってきました。 私が何冊か紹介して、導入部分だけをザザッと話してオススメしたら、 「すごくたくさん読んでるんですね~」とお姉ちゃんに感心され、 妹が突然、お姉ちゃんに向かって、 「ねぇねぇお姉ちゃん、今いっぱい本読んでたら、おねえさんみたいになれるかもよ!」 ハイ? 思わず妹の方を見ると、お姉ちゃんも、うんと頷き、 「うん、なりたい!おねえさんみたいに、図書館の人になりたいです! そんな風にいろんな本を紹介したりできるようになりたい!」 と言ってくれたのです。 ・・・これまで生きてきた人生の中で、一番嬉しい言葉かもしれない・・・。 私にとって、一生、宝物になる言葉だと思います。 それも、大人からじゃなく、純粋に子供からひょいっと言われた言葉だったから、余計に嬉しかった。 ああ、この図書館でやってきて良かった、と思いました。 この1年弱、頑張って来て良かったなって。 最後に最高の贈り物を貰いました。 司書冥利に尽きます。 生きていて良かったと、本当に、心の底から思いました。 今まで私はきっと、こんな風に言ってもらいたかったんだと思います。 誰かの役に立てて、誰かに嬉しいと思ってもらえる。 「生きてていいよ」って、本当に言ってもらえたような気がしました。 この言葉だけで、私はこれからも生きていけます。 きっと、言った本人は、私がこんなに嬉しかったなんて、思ってもみないんだろうなぁ・・・。 どうか元気でいてね。 素敵な大人になってください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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