テーマ:仕事しごとシゴト(23732)
カテゴリ:サイエンス・医療・学問 etc.
今日は仕事でした。
雨のせいか、わりと平和。 私が書庫に入れる本の整理をしていたら、 「脳波のことが書いてある本が見たいんだけど」 というお客さんが。 基本、私は裏方バイトなので、レファレンスは他の司書さんがします。 でも、思わず耳ダンボ|ω・´) 「α波やβ波とかδ波なんかが詳しく載ってるのはないですか? あと、睡眠脳波っていうのとか。」 対応してる司書さんは、PCで検索して、 「うーん、うちの図書館には、『脳波』って本はないですねぇ・・・」 うちの家の本棚にはありますよ~。 (でも書き込みまくりなのでとても見せられないけど) 「どういったことがお知りになりたいんですか?」 「正常の脳波っていうのが知りたいんですけど・・・」 (ー"ー )ウズウズウズウズ 技師(とお節介)の血が騒ぐ~。 でもダメダメ、他人のレファレンスに首突っ込むのはご法度よね。 私はしがないバイトなんだし。 うんうん。 とか思いつつ、書庫に入れる本を並べ終えた頃、 「うーん、じゃあ載ってそうな本を見てきますね」と、司書さんが立ち上がった。 我慢しきれずに、その辺のありそうな4門の本がある階に、 本を返しに行くついでを作ってレッツゴー。 その司書さんは、わりと気の置けない人で、「困ってたら助けてね~」と言われてたので。 表立って行くと、それはちょっとと言いそうな人も居そうだなと思って、こそっと行ってきました。 行ってみると、やっぱり司書さんが唸っていたのでした。 検索をしてないから、なんとなく勘で探すしかなかったけど、 キーワード的には、生理機能検査、臨床生理学、睡眠時測定ってところだと思いました。 技師系がないなら、看護系で、と思って探したら、軽めだけど基本が書いてあるものがあったので、そちらを紹介。 大丈夫だったみたいです。 脳波の本が、何故少ないか。 答えは簡単。 触れる機会が少ないからです。 脳波は、心電図と違って、胸に5か所つけたら撮れますよ~というわけではなくて、 頭の地肌に、電極という、測るための装置を均等間隔につけていきます。 電極を密着させるために、クリームを塗るんですが、 胸と違って、サッと拭き取るだけじゃ、髪もベタベタするし、ダメなんですよね。 それプラス、安定させるまでに時間がかかる。 何より、その波形を見れる人が少ない。 看護師さんは、心電図は見れる人が多いですが、脳波はあんまり居ないと思います。 波形が安定してないし、変化が軽微というか、波形が安定してないせいで分かりにくいし、脳波ってズラズラ~っと12個ぐらい一辺に波形が出るんですよね。 眼が動いただけでも振れるし、アーチファクトも面倒くさいし。 要は、面倒くさい検査なのです。 医者と技師ぐらいしか見ないというか。 さて、質問にあった答えですが、α波とβ波では、波長が違います。 δ(デルタ)波:0.5Hz以上、4Hz未満、徐波 θ(シータ)波:4Hz以上、8Hz未満、徐波 α(アルファ)波:8Hz以上、13Hz未満 β(ベータ)波:13Hzを越えるもの、速波 α波は、目を閉じて安静覚醒時に出てきます。 要は普通。 β波は、目を開けたり、目を閉じてても考え事をしてたりすると出てきます。 基本、成人には徐波は出てきませんが、60歳を過ぎると増加します。 「α波が出てるから正常」とかではなく、 どういう時に、どういう分布で出てくるかというのが大事です。 ただし、子供は取りにくい。 振幅(波の高さ)が大きかったり、よく動くのでアーチファクトが入ったり。 徐波も子供の場合は結構出てきますし。 睡眠脳波は、ステージが色々あって、一番有名なのがレム睡眠です。 複雑になりそうなので割愛します。 私がもしも、選書するなら、こんな感じの本入れたらどうかな~と思います。
あと、私が欲しいのは、こちらの2冊かな。
さて。 今日みたいな状況になると、少し物足りないなぁという気になります。 医大系とか医療学校系の図書館とかで働いてみたいなぁ。 論文の分類とか大変そうだけど。 でも募集してるとこ、見たことないよなぁ。 今日も、そのお手伝いした司書さんに、訊かれました。 「もったいなくない?前の仕事しないの?」と。 まあ、そこの経緯はこちらにちらりと書いてるので、興味がある方はどうぞ。 人間、向き不向きがあると思うんですよね。 今日、感じたのは、今でも、検査自体は好きだという事。 検査に関する知識、データや結果、医療系の記事などを読むのも好き。 でも、もし検査をするのなら、多分、食品とか水の細菌検査だろうな~。 病院とかにはもう、行けない気がします。 ブランクもあるし、何より、ストレスにつぶされる気がします。 体はきつくても、心理的に負担のない場所に居たい。 好きなことをしていたい。 ワガママでしょうか・・・。 とりあえず、自分がやりたい方向性の、司書のお仕事を探しつつ、頑張ろうと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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