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テーマ:生き方上手(689)
カテゴリ:自分を見る
この1週間は、久々に本業が忙しくて午前様が続いておりました。そういえば、僕はエンジニアだったんですね(笑)
設計開発の仕事をしていると、技術的な理論や理屈を利用する側面と、アイデアとか発想ということを求められる側面とがあるわけですが、今日はこの辺について考えてみましょう 新しいものを生み出したり、何かしらの問題点を解決する過程というのは、僕のこれまでの経験では、大きく3段階に分けられます。 Step1:枠組み作り・条件出し・問題点の絞込み Step2の発想が出てくる範囲を限定するための枠組み作りです。ただ漠然と「アイデアを出せ!」と言われても出てくるものではないので、大よその技術的要件を洗い出したり、問題点を絞り込んで、ここさえ解決できれば、というレベルまで論理的に追い込んでいきます。 要は、「この範囲のアイデアが欲しい!」ということを、はっきりさせるためのステップです。 Step2:発想・ブレークスルー Step1で限定された範囲のアイデアが出てくる過程です。 えてして、「あ~そうか!」「こうすればいいんだ!」という気付きの表現を伴うことが多く、最もエキサイティングで最もワクワクする過程です。ただし、いつどのような形でそのアイデアが出てくるか、全く読めません(^^; 一番謎の多いところですね。 Step3:アイデアの具現化 Step2で出てきたアイデアを具現化する過程です。 この過程は、これまで積み上げてきた理論や理屈・経験を総動員します。ここでまた何か問題点にぶつかったときは、その問題点について、このStep1~Step3のサイクルを回すことになります。 このうち、Step1とStep3は、あくまで頭を使って「考える」ステップです。 問題はStep2ですが、これはどんなに頭をひねって思考をめぐらしてもうまくいきません。どちらかというと、ぼーっとしてるときの方がいいアイデアが出てきます。 そう、アイデアは出てくるものであって、自分で出すものではないんです。 例えば、「携帯にカメラ機能を持たせる」というのは携帯メーカーの誰かの発想で、発想した本人(Aさんとしましょう)は、自分のアイデアだと思ってるはずですが、実はAさんの作ったアイデアではありません。 Aさん自身は、「携帯に入れられるくらいのもので、何か面白い機能はないかな・・」と、発想の出てくる範囲を限定したに過ぎないのです。そうしたら、「カメラ機能はどうだろうか・・・」というアイデアが、どこからともなくポン!と頭に浮かんだだけの話です。 思い付くという言葉は、この辺を実にうまく表現してると思います。どこからか思いが飛んできて、ペトッとくっつくんです。自分で作ったわけではありません。 これは別に僕のような設計開発業務をやってる人間だけの話ではなくて、日常生活のちょっとした工夫や、些細なトラブルを解決するのに「こうしたらいいや!」とか、「久し振りに○○さんに電話してみよう」といった他愛もない発想も含めて、自分の発想と言えるものは、実は何一つないんじゃないかと僕は思ってます。思いはどこからかやってくるからです。 では、この大元の思いを生み出した主体は何なんでしょう? あなたが今とらわれてるその思いが自分のものでないとしたら、自分って一体何なんでしょうか? こんなこと考えてると、色んな思いの集合体+肉体=自分と思ってきた人にとっては、自分というアイデンティティが揺らぎ始めるかもしれません。 そして、それこそが真の自由への第一歩だと思います。自分の思ってる自分という枠に自分を限定する必要はないんです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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