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カテゴリ:日本映画
敗戦から十数年。国際社会への復帰をめざし高度経済成長を続けるもう一つの日本。しかしスラム化した首都では凶悪な反政府勢力と、首都圏治安警察機構‘首都警’との武力衝突が相次いでいた。強化服と重火器で完全武装した“ケルベロス”というその精鋭集団は、ゲリラを徹底的に排除してゆくのだったが――― 原爆が投下されて十数年。高度経済成長を遂げた頃の架空の日本を舞台にしたシリアスな恋愛ドラマ。 童話「赤ずきんちゃん」を土台にした物語は、狼のように生きる男とその嘘に騙される少女―という構図で描かれる純愛もの。 ‘ケルベロス’として訓練された優秀な一貴は、 セクトのメンバーを追跡中、運び屋の未成年の少女に引き金を引くことが出来ず目の前で自爆させてしまいます。 査問委員会にかけられ養成校に戻されても少女の死を忘れられない一貴は、ある日彼女の墓へと足を向け、そこで死んだ少女にそっくりの姉と出会うのです。 映像のリアルさは実写に近いといえるほどで、アングルや展開も実写ドラマと似ています。 登場人物の個性もよく出ていて、動きがぎこちないところを抜かせば、素晴らしい。 ‘殺られる前に殺る’野生の強靭さを叩きこまれた男(狼)が、孤独な少女(赤ずきんちゃん)と出会って、忘れていた感情に突然気付く…… それは許されない愛。 ふたりが抱えたそれぞれの大掛かりな背景を、互いに隠したまま心を通わせているのです。 こういった苦しくて切ない設定は、すでに見慣れてきたものであるけど、もうひとつの架空の日本というバーチャルな世界観は一見の価値があるのではないでしょうか。 映像の素晴らしさも。 騙し合いをする人間のおぞましさ、偽ることの出来ない純粋な心、そして悲劇で終わる『赤ずきんちゃん』の童話。 何度も登場する地下水道をはじめ、重苦しい空気がそのまま最後まで続きます。 ‘人狼’は狼の皮を被った人間でなく、人間の皮を被った狼である――そうして生きてきた男の運命。人間性に目覚めても、救いはないのです。 強化服に身を包んだ一貴 墓参り後になんとなく連れ立って歩く二人 PG12指定。人が殺されるシーン、銃撃シーン、そして自爆のシーンなど…あまりにリアルに怖い感じでした。 原作はあの有名な押井守氏。監督はこちらが処女作となる沖浦啓之氏。 ぶっきらぼうな声優さんの声は、、慣れると作品にぴったりと感じるとうになりました。 監督 沖浦啓之 脚本 押井守 原作 押井守 音楽 溝口肇 出演 藤木義勝 武藤寿美 木下浩之 廣田行生 吉田幸紘 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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