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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:日本映画
全国の中学3年生の中から無作為に選ばれた1クラスを、最後の1人になるまで殺し合わせる新世紀教育改革法、通称〈BR法〉。1人ずつ支給される様々な凶器、ルールを破ると爆発する首輪。外界から遮断された無人島で、42名の中学生たちの血塗られた3日間が、唐突にそしてあまりに理不尽に幕を上げてゆく…。 ヒットを受けて10分弱の追加撮影シーンや前回カットされたシーンを加えてバージョンアップした特別篇。 手がけていた続編「バトル・ロワイアル2 鎮魂歌(レクイエム)」の最中に監督が亡くなり、こちらが深作欣二監督の遺作となりました。 続編はご子息がメガホンを取ったそうです。 ‘中学生が殺し合いをする’それくらいしか予備知識のないまま、なんとなく気になっていた作品でした。 R-15指定は当然で、高校生でも見せたくない内容でしたが、自分がその歳頃なら観ているのでしょうね~ 高校生の頃観た私的ショッキング映画は「時計じかけのオレンジ」でしたが、残虐シーンが問題なだけで「時計じかけ~」よりはましだったかもしれません... それにしても惨殺シーンの数々に、悪い影響を受けるのだけはよして…とついぞ願ってしまいます。 中学生を演じた若い役者陣が良かった。 クラスの生徒以外に任意で参加したという設定のふたり、山本太郎、安藤政信は中学生に見えなさ過ぎますが、二人がいなければ重みも半減だったのではないでしょうか。 藤原竜也、前田亜季、柴咲コウは巧いです! これからの邦画界を担っていく実力を備えた若手さん、期待できますし嬉しいものです。 大不況で失業する大人が激増した日本。 子どもは大人を舐め、大人はそんな子どもたちに驚愕し、力ずくで支配下に置こうとします。 発信機と爆弾の付いた首輪をはめられ、無人島に連れてこられるクラスの面々。 「殺し合いをしろ! 最後の一人だけうちに帰れる。ただしタイムリミットまでに決着がつかなければ生き残った者たちは全員爆死する」 なんという理不尽で末恐ろしい原作なんだろうと寒気がするよう。 原作本が売れたのは何故なんでしょうか。 私は未読ですが、怖いもの見たさだけではないはずですね。 けれど、映画を観てもメッセージ性はあまり感じませんでした。 ただ、大人が子どもの心理や真意を理解できなくなるにつれ、子どもが怖い存在になっていくのは、現在の日本の状況と同じです。 かといって、こんなバーチャルな話へと飛躍していくわけは絶対になくて、あまりにも現実離れしすぎてる。 現実から離れた物語の中に、真意がみえるのかといえば、ただの殺し合いだった、、、 そんな印象です。 台詞をテロップで見せるのも、なにかしっくりこない。 ドキンとしたのは最後のこの一言だけ。 「大人はこんな時 子どもになんて言ってやればいいのかな――」 もしかしたら、これは若い世代に向けて作られた作品なのかもしれませんね。 深作氏の現代の若者への最期のエールのようにも感じます。 ただ怖気づき必死で殺すもの、自ら命を絶つもの、協力して乗り切ろうとするもの、頭脳で切り抜けようとする者... それぞれの生き方とか選択は鬼気迫るものがありました。 主人公の三人(藤原、前田、山本)はもちろん協力して乗り切るのですが、彼らの他に生き残るのは頭脳線を繰り広げる男三人衆。 発電機を修理してパソコンを立ち上げ、爆弾を作り、大人たちに立ち向かおうとするのです。 彼らが展開のキーになってくれるようで、目が離せなかったのに...なんともお粗末過ぎる幕切れに唖然としてしまいました。 ビートたけしが、元担任、今はBR法の施行者として登場。 やっぱり演技は巧いとはいえず、しっくりきませんでした。 生徒や娘にバカにされてきた怒りでいっぱいで、それでも過去には生徒らを愛していたであろう先生。。 その哀愁が伝わり切らないのはもったいない... ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督 深作欣二 脚本 深作健太 原作 高見広春 撮影 柳島克己 音楽 天野正道 出演 藤原竜也 前田亜季 山本太郎 栗山千明 柴咲コウ 安藤政信 北野武 塚本高史 ビートたけし お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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