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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:日本映画
日本列島の沈没という未曾有の危機を迎えパニックに陥る日本国民の姿と、その中で出会った一組の男女の運命の行方を描く。1973年に製作された『日本沈没』のリメイク版。 海底プレートの急速な沈降で、日本列島が1年後に沈没する――存続の危機に直面した日本を、大迫力のCGを駆使して描きます。 一夜経てば、いろんな荒が見えてくるのですが、全体としては見応えあって、日本らしいパニック映画に仕上がっていたのではないでしょうか。 国柄がよく出ていて、総理大臣(石坂浩二)が独り言のように呟く言葉が印象的。 「沢山の解決方の中で、この国と共に何もせずに沈むのが一番しっくりとくる」 もちろんただの気持ちですが、総理にこういう台詞を話させたりするところが面白い。 避難民が海外で受け入れられなかったり、アメリカには裏切られたりする日本。こういった政治的なシーンも、自然環境の危機も(この話はプレートが問題なので自然破壊ではないけれど)、ただのお話だとは思えませんでした。 大地震で怪我をした潜水艇パイロットの小野寺(草なぎ剛)は、ハイパーレスキュー隊員・安部怜子(柴咲コウ)に助けられます。これが二人の出会い。 その時、一緒に救助した少女・美咲の母は意識不明で入院、彼女を実家のお好み焼き店で預かることになるのです。 美咲と玲子や家族に関する人間ドラマに期待するよりは、小野寺と玲子の恋愛模様に期待したほうがよさそうです。 脇を固める役者さんはしっかりしていて、玲子の家族(吉田日出子ら)、富士山を観測する教授(柄本明)、総理の変わりに指揮を執ることになる危機管理担当大臣(大地真央)など、安心して観られます。 つきもののくさいシーンにはいつも引いてしまうけれど、この監督は意外とさらっと観られる気が。 本職である映像のすごさは、文句なしといえるかもしれません。 これだけ日本の都市を破壊しまくった映像は、今まで観たことありませんし、それが身近な場所だとさらに怖いですね~ 次々に山という山が噴火して、大津波が押し寄せ、日本が沈没する! 残された時間の中で、唯一の解決方法を知る科学博士・田所(豊川悦司)の指示により、プレートを断裂する爆薬を海底深くに仕掛ける任務は、潜水艇のパイロットに託されるのです―― 冒頭から登場する小野寺のパートナー役には、及川光博が好演。沢山の方が書かれていましたが、この及川光博の演技は驚くほど良いです。 今まで上手いと感じたことがなくて、わりとキザで変わった役柄が多かったように思いますが、普通の父親役を見事に演じているので注目です。 細部の荒は、やはりいっぱいあります。大パニックの中、小野寺と玲子がピンポイントで会えるなんておかしい!! と思いながら観てました。 けれど、ハリウッド映画顔負けのアクションシーンと、危機を日本人だけで(陰で海外の協力もあったけど)解決するところに好感持てます。 日本が沈没していく様子を生々しく再現して見せてくれる作品。CG映画は劇場で観るのがいいです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督 樋口真嗣 原作 小松左京 脚本 加藤正人 音楽 岩代太郎 出演 草なぎ剛 、柴咲コウ 、豊川悦司 、大地真央 及川光博 、福田麻由子 、吉田日出子 柄本明 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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