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行きかふ人も又

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2006.09.13
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カテゴリ:多国合作映画


  1994年、ルワンダの首都キガリ。多数派のフツ族と少数派のツチ族の内戦はようやく終息したものの街は依然不穏な空気に包まれていた。ベルギー系の高級ホテル“ミル・コリン”で働く有能な支配人ポールは、妻がツチ族だったことから“ミル・コリン”に避難するのだが、ホテルは命からがら逃げ延びてきた人々が続々と集まってくる……。


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  映画の評判というよりは日本公開を求める会の動きで興味を惹かれていた作品でした。
良質な映画が興行面の採算が合わないことで観られない~という図式は、いつも残念に思っています。
大作しか小さな町には来ないのも淋しいことです。
ネットを通した若者達の活動が、日本での上映を叶わせる力になったことで、多くの人がこの作品と出会う機会を得たのは素晴らしいことと思います。

北海道でも、略称「ルワ会」による尽力で十勝、苫小牧、函館で(たぶん)一日のみではありますが上映されたそうです。
今回わたしが行ったのは札幌駅の北口にある蠍座で、現在、道内唯一の上映映画館となっています。




  12年前、学生だった自分がこの大量虐殺を知らなかったことに、驚き情けなくなりました。
わたしが青春を謳歌していたその頃、ニュースに対する興味も薄いあの時期に、アフリカではこんなにも凄まじい恐ろしい争いが起こっていたなんて。。

動かない政府に対して学生運動を行った男性が「今更遅すぎる」――というコメントを残しているのをみつけました。
そうやって行動を起こしていた人がありながら、当時の社会の様子さえちっとも覚えていないのが、本当に情けないです。
たった12年前のことなのに…



ホテル・ルワンダ


民族間の争いが、歴史的な背景の複雑さから酷い状況を生む。それは世界各国で起きてきて、今現在も続いていること。
たしかにルワンダの惨状を今更知っても遅すぎるのかもしれませんが、ここから現在起こってる紛争のニュースに耳を傾けたり、難民を救う募金に協力したりなど、何かできることはきっとあると思います。
知らないよりは知っていた方がいい。
意識が変わるというのは大なり小なり、良いことなのではないでしょうか。

演技派のドン・チードルが、4つ星ホテル“ミル・コリン”の支配人役を熱演しています。
外資系ホテルと、支配人として身に付けた話術や機転を盾に、1200人もの命を救った実在の人物を基にして映画化されたルワンダ紛争の真実。

国連軍も海外からの助けも当てにならず、ホテルに孤立した人々は、いつ来るやも知れない暴徒と化した民兵からの攻撃に怯えるばかりでした。
何度も死を覚悟しながら、ポール・ルセサバギナは皆の為に奔走し続けました。
時には命を金で買い、酒で買収し、絶望の淵から這い上がり、危機に直面しながらも諦めなかったポール。
もし自分がその場に居たら―と考えると、その恐怖感は想像を絶するものであったと思います。

ホテル・ルワンダ



監督はアイルランド生まれのテリー・ジョージ。
イギリス・イタリアが主な製作国であることもあってか、ドキュメンタリーに近いような、入り込む隙もないほどの迫真の作品というのではなく、観る側も考慮に入れられた実話に基づいたフィクションに近いという印象でした。
ドラマ性もあります。

100万人が命を落としたという惨劇から12年。
関心を持つことが大事だと、伝えたいことはちゃんと伝わってきました。
‘94年のルワンダ、ヨーロッパ諸国が見て見ぬふりの如く手を差し伸べなかった事実が、これだけの犠牲者を生んだ――本編ではそう訴えています。
でもその時、日本は?自分は?と考えると、それもまったく同じで無関心でいただけでした。
観た人のたくさんの意識を変えるきっかけを作った作品ではないでしょうか。



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監督  テリー・ジョージ
製作  テリー・ジョージ 、A・キットマン・ホー
製作総指揮  ハル・サドフ 、マーティン・カッツ
脚本  テリー・ジョージ 、ケア・ピアソン
音楽  ルパート・グレグソン=ウィリアムズ
     アンドレア・グエラ  
出演  ドン・チードル 、ソフィー・オコネドー
     ホアキン・フェニックス 、ニック・ノルティ
     デズモンド・デュベ 、デヴィッド・オハラ
     ジャン・レノ






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Last updated  2007.08.29 17:58:24
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