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テーマ:本のある暮らし(3317)
カテゴリ:本
つらくて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中の宝物を蘇らせてくれる珠玉の短篇集。 お世話になっているアネモネさんが、以前紹介されていた本です。 あったかくて切なくて、秋の日にぴったりな恋愛小説でした。 ―これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。 これが書けたので、小説家になれてよかったと思いました― 著者がそう言いきれるということは、生きていて良かった―そう言ってるのと同じではないかなと思います。 5つのエピソードは、どれも本当に優しくて、瑞々しく捉えられた切ないシーンにはグッときました。 よしもとばななさんは、私が子どもの頃「キッチン」という本がロングセラーで、泉鏡花文学賞を授賞したというすごい本だったのに、あまりに長く古書店に氾濫しているのを見てきたため、かえって手が出なくなってしまった作家さんでした。 アマノジャクですね... あれから一度も読む機会を持たないままでした。 今回興味が湧いて、開いた中身はとても好きになれるものでした。 5つのお話どれも気に入ったし、なにより、何も知らなかったよしもとばななさんの優しさをすごく感じて、このあったかさはよしもとさんの持っている心の体温でもあるのだな~と感じました。 一日ほぼ一話読んで、全て読み終えた日の夜。 昔の恋人と再会している夢をみました。 それは、もうほんとに紹介文にある通り‘心の中の宝物を蘇らせてくれる’ことそのものでした。 ‘宝物’と久しぶりに対面して幸せになり切なくなり。 目覚めたときはあったかかったです。 「ああ、この本を読んだから見た夢…」そう思いました。 些細な物語に凝縮されてある、一瞬の輝き。 忘れてることがいっぱいある。そう思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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