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行きかふ人も又

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2006.10.02
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カテゴリ:日本映画

  より進化した近未来の日本は、人とサイボーグ、そしてロボットの共存が進み、同時にテロが続発していた。犯罪を取り締まる公安九課の刑事で全身サイボーグのバトーは、相棒トグサと共に、少女型ロボットが所有者を惨殺するという事件の謎に迫るが...“謎のハッカー”の妨害に見舞われるのだった。


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  「攻殻機動隊」という、映画化されたこともあるTVシリーズがあって、そこに係わってきた押井監督がその後の世界――として描いたのがこちら「イノセンス」なのだそうです。
もともとは漫画で、「攻殻機動隊」の面々がそのまま主人公として登場する本作。
公開当時から気になっていた作品を、前情報もないままに観ました。


冒頭、物語が始まる前に15分間の説明が入ります。 
私のように何も知らない人に、とりあえず未来世界の状況、そして言葉の意味などを説明してくれます。
これがなければついていけなかったことでしょう。

inosens.jpg
強靭なサイボーグ刑事バトー 優しい一面を持ち合わせる 大塚明夫の声が渋い!


いざ本編。
未来世界にある人間の意識に関する哲学は、少し難しく一度で解釈していけないような雰囲気がありました。
作り手側が選ぶ言葉の難しさ、脚本の難解さもあります。
万人にわかってもらえなくても構わない、そういう監督の強い意志とこだわりでもあるのでしょうね~
偶然同じ映画をアップされていたお世話になっているJOEDOGさんは、「攻殻機動隊」を知った上で、物足りなさを感じられたそうです。
基礎知識とか、世界観の好みとか、そういったことも関係して、感じ方は人それぞれになりそうです。

ただ映像だけは、誰も驚かされ目を見張るのではないでしょうか。
進んでるというより、進みすぎて階段を二段飛ばしで越えていったような印象です。
斬新すぎて見慣れないわたしは驚かされましたが、奇妙な感覚で、居心地良さと悪さが共存しています。
体温が感じられない寒々としたメタリックさと、日本ではないアジアの異国を思わせる街。
生活臭さえするようです。
温度はないけどニオイがある、そんな感覚。

全身サイボーグであるバトーと、妻子持ちの生身の人間トグサが、危険な捜査を続けるうち見えてくる真相とは――
そして、バトーにとってはかけがえのないパートナーだった、失踪中の少佐(草薙素子)の行方の謎とは――

電脳化とサイボーグ化が進み、自分が自分であることを認識することさえ難しくなった未来世界での、危うく少し切ない人間模様とサスペンスアクションが観もの。
人物の予備知識が冒頭の解説だけであるという人にとっては、人物に感情移入するにはちょっと無理があるのかもしれないし、ストーリーの解り難さもありましたが、意識を異世界に迷い込ませてくれる面白い作品でした。
音楽が良い!

 
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監督・脚本  押井守
プロデューサー  石川光久 、鈴木敏夫
原作  士郎正宗
音楽  川井憲次
音響監督  若林和弘
作画監督  黄瀬和哉 、西尾鉄也  
声  大塚明夫 、田中敦子 、山寺宏一
    大木民夫 、仲野裕 、榊原良子
    武藤寿美 、竹中直人







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Last updated  2007.08.29 17:55:24
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