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行きかふ人も又

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2006.11.01
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カテゴリ:日本映画


  敗戦直後の東京を舞台に描いた青春音楽ドラマ。かつての敵国アメリカ進駐軍を相手に演奏する希望に満ちた5人の若きジャズメンが、様々な問題に直面しながらも、アメリカ兵との交流や音楽を通して成長していく姿を、リアルな戦後風景の中に力強くエネルギッシュに描く。

 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


  リアルな戦後の風景が印象に残る作品でした。
戦後生まれの監督ですが、今までに見たことがなかった視点から風俗が描かれていて新鮮でした。
誤りのないよう、注意深く作り上げた、CG一切なしの戦後日本。
それが現実か、間違いが含まれているのかは判りかねましたが、きっと当時の日本はこんなふうではなかったかと思いながら見ていました。

孤児が生きるために集団を作ってたむろする姿、アメリカに媚をうる者、兵士だったことから抜けきれないとち狂った飲んだくれ、お金のため身体を売って生きる娼婦たち、そして自国を負かしたアメリカ兵の為にジャズを弾く主人公の若者たち……
その葛藤と青春を、時代の移り変わりの中に描いた作品です。


この世の外へ


とにかくリアルに良くできた情景でしたが、音楽映画にもかかわらずダメな音楽と歌が、この作品を一番ダメにしているような気がします。

トランペッターを演じたMITCH以外は、初めて楽器を演奏する役者さんばかりだったそうです。
高い報酬に惹かれて素人同然でバンドに入った者もいれば、大好きなジャズをやることが目的の者もいるという設定。演奏がダメなのはストーリー上違和感ないのですが、白けさせるのは残念。
「スウィング・ガールズ」の演奏とか「ウォーターボーイズ」の演技とか、少し趣旨は違ってしまいますが、本気の見せ場が見応えあるだけで、映画の感想としても変わってくることがあると思います。


この世の外へこの世の外へ


情熱やエネルギーなどはあまり感じません。
困難な時代に生きた若者を中心にして描いた群像劇に、小さな笑いとか悲しみとか別れとか再会を織り込んだ物語。
アメリカ兵との友情物語など、ありがちな内容で残るものは少ないけれど、魅力ある俳優陣の演技がみられるのは嬉しいです。
邦画に出演する外国人俳優さんは、浮いて見えることが多いですが、この作品でははまっていて好印象です。
ちゃんとした役者さんを起用したからであるかもしれませんね。

オダギリジョー、松岡俊介、村上淳は好演。
トランペッターであり、映画初出演のMITCHは存在感大きくよかったです。
主人公の萩原聖人だけは、いつもと変わらぬ演技と眉間に寄せるシワの一本調子で、お世辞でも上手いとはいえないかも……。
 

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監督・脚本  阪本順治
音楽監督  立川直樹
出演  萩原聖人 、オダギリジョー
     松岡俊介 、MITCH 、村上淳
     ピーター・ミュラン 、シェー・ウィガム







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Last updated  2007.08.29 17:47:54
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