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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:本
その真価をめぐり世界中をスキャンダラスな渦に巻きこんだ相対性理論の創始者、アルベルト・アインシュタイン。20世紀を象徴するかのように波瀾に満ちた理論物理学者の、人間味溢れる生涯。晩年の彼に近しく接した著者が、数学者ならではの率直明快、的確な筆で描き出す同伝記の定番―。 (「BOOK」データベースより) 1968年に刊行されたこの本は、文庫化や増版をされて、今も読まれているアインシュタイン伝記の名著なのだそうです。 すでに故人となられた筆者の矢野健太郎氏は著名な物理学者。 数学に関する著作には今もファンが多いそうです。 じぶんがまだ生まれていない1955年にこの世を去った、奇才アインシュタイン。 相対性理論なんてよく分からないし(この本を読んでさらに・・)物理学という分野は学校以来本すら読んでいない私ですが、人としてのアインシュタインにはずっと興味がありました。 きっかけはきっと1991年にNHKで5回に渡って放送された「アインシュタイン・ロマン」というドキュエンタリー番組でした。 8ヶ月の間90分のドキュメンタリーに夢中になっていたのは、中学生の頃でしたが、丁寧な番組で難しいけどインパクトは抜群で、大変惹かれていたものでした。 ビデオだけじゃなく本もあるようなので、今こそ手にとってみたら楽しいのかもしれないと、今回はとくに思いました。 この本の解説では理論部分は「?」だらけ。 アインシュタインが歩んだ人生については、わかりやすく読みやすかったです。 時代に沿って書かれているので当時のことを知ることができて勉強になりました。 原子核の崩壊でおこる莫大なエネルギーの発見が、どんなふうにして、広島・長崎に落とされた原子爆弾へと結びついたのかも、そこにアインシュタインがどう関わっていたのかも分かりました。 筆者の数学に対する愛情と、アインシュタインを敬愛するスタンスが柔らかく感じられます。 この交流はきっとなににも変えがたい素敵な経験だったのでしょうね。 生涯ヴァイオリンとヨットを愛し続けた、ボサボサナ頭にちょっと変わったいでたちのお茶目な奇才の生涯。 彼の動向に世界がいかに震えたのかが、難しい理論を超えてよく伝わってきました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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