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2006.12.10
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カテゴリ:日本映画


  坂東簑助が狂言まわしの浮世絵師・歌麿を演じ、その周囲の人々の人生模様をとおして江戸末期の町人文化を活写した作品。
歌麿の弟子となった幕府御用絵師の婚約者、紙問屋の息子と駆け落ちするおいらん、歌麿の作品のモデルとなる腰元、気性の激しい水茶屋の女(田中絹代)など、歌麿をめぐる女たちを描く。



 
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  初めて観る日本映画の名匠・溝口健二作品です。
最近のBSは面白くて、チャップリン特集、ヴィスコンティ特集、男はつらいよ一挙放送、そしてこの溝口健二特集も組まれています。(もう終わったのもあるかもしれません・・)
このラインナップに嬉しい悲鳴をあげてます。



  溝口健二監督は、女を撮るのが巧い方だったそうです。
それを聞いて観たせいもあるのか、十人十色、それぞれの女性たちの個性が出た惹かれる作品でした。 
黒澤作品などで時代劇を観るようになったここ数年は、今更面白いものだと心底感じています。
時代物にしかない良さがある。
また少し遠ざかっていたけど、続けてまだまだ観たいと思えてきます。


  主人公・歌麿を演じたのは坂東簑助。台詞が聞き取りにくく気になりましたが、何度もボリュームを上げてはリピートして見終えました。
彼の俗っぽいところが‘粋’だったのしょうか。つかみ所のない役柄でした。
絵に懸ける情熱を見ていてやっと良さが分かりかけましたが。

今も昔も、男と女の仲はほとんど変わりないものなのでしょう。
やきもち焼いたり、二人で逃げたり、ただ泣いて待つ娘がいたり・・・
仕舞いには壮絶な様相となりますが、どこか軽い風情の歌麿が、重苦しさも押し流してくれます。
浮世絵師・歌麿の心には、ことの終結と同時に創作意欲がしっかり湧いているのでした。

江戸末期の文化風俗に親しみながら、女の怖さもちょっとばかり感じた映画でした。


歌麿をめぐる五人の女
(モノクロ/95分)


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監督  溝口健二
原作  邦枝完二
脚色  依田義賢
音楽  大沢寿人 、望月太明吉  
出演  坂東簑助 、田中絹代 、坂東好太郎 
     川崎弘子







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Last updated  2007.08.29 17:33:19
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