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カテゴリ:カナダ映画
カナダのトロントにある地方TV局の社長が、奇妙なビデオテープを発見した。暴力と官能に溢れた映像に、彼とその恋人は次第に虜となっていく。やがてテープに秘められた恐るべき陥穽が明らかになるが……。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 先日の「裸のランチ」に続くデヴィッド・クローネンバーグ監督作品。 どちらも『死ぬまでに観たい映画1001本』のなかに選ばれています。 短尺で深く考えずに見られるホラーで、「裸のランチ」に同じく、内容が云々ではない見た目に面白い作品でした。 猥褻で過激な映像を流してきた地方TV局の社長である主人公(ウッズ)が、”ヴィデオドローム”と呼ばれる奇妙なビデオ映像と出会い、虜になるあまり、恐ろしい陰謀へと引きずりこまれていく様を描きます。 とはいってもさほど恐ろしくはなく、ラストに用意された対決もあまりに緩いところからみると、サスペンスを楽しむよりは、ビデオ映像というメディアが人間に与えるコトを、ちょっと変わった視点で捉えた風変わりなホラーなのかもしれません。 目の付け所が面白い。 物語の心臓部‘ビデオ’が、現代では主流でなくなってることがネックかも。 25年という歳月を余計に感じます。 ただ古臭くはあるけれど、今でも(今だから?)びっくりしてしまう映像のグロさがかなりインパクトあって好きでした。 拳銃と手が一体化するところなど、ふと大好きな塚本晋也作品に通じるものを感じます。 暴走気味な熱さ。焦燥。似た匂いがあって好きです。 内容的にピンとこないけど、迷いがないと感じられるのは魅力。 いまいちな映画でも説得力があると、鑑賞後案外満足できたりします。 主演のジェームズ・ウッズは好演でした。 如何わしい役が似合う―というと褒め言葉にはならないかもしれませんが存在感がいい。 “ヴィデオドローム”自体がインパクト不足と思ったのは、私が様々な映像に感化されている証拠なのかもしれません。 もっとグロクなくちゃ――なんて思ってる。 これは本編で黒幕が話してた気がしますが、映像に視覚的な興奮を求めてるからなのでしょう。 そうやって衝撃を楽しむことは俗っぽいけど、やめられないもの。 クローネンバーグ氏の映画は、そこを満足させてくれて説得力あって独自の世界観を持っているからこそ、映画史に残っているのかもしれません。 監督・脚本 デヴィッド・クローネンバーグ 製作 クロード・エロー 製作総指揮 ピエール・デヴィッド 、ヴィクター・ソルニッキ 撮影 マーク・アーウィン 音楽 ハワード・ショア 出演 ジェームズ・ウッズ 、デボラ・ハリー ソーニャ・スミッツ 、レイ・カールソン ピーター・ドゥヴォルスキー (カラー/87分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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