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2007.04.26
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カテゴリ:日本映画


  空前のベストセラーとなったリリー・フランキーの同名自伝小説を映画化した感動ドラマ。
1960年代、オトンに愛想を尽かしたオカンは幼いボクを連れ、小倉から筑豊の実家に戻ると、女手一つでボクを育てた。15歳となったボクはオカンの元を離れ、大分の美術高校に入学した。それから東京の美大生になっても、仕送りしてくれるオカンに申し訳ないと思いながら、学校へもろくに行かず自堕落な生活を送るボクだったが……。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



  札幌の駅横にあるシネマフロンティアで観てきました。
久しぶりの大きな映画館。
ぼろぼろに泣いて、目がはれて、ショッピングもままならず帰宅した昨日でした。
原作は未読です。ベストセラーということでもう読まれた方も多いのかもしれませんね。
実家の母が買ったそうなので、今度借りようと思っています。


十五で親元を離れて、親不孝にも仕送りで自堕落な生活を続けてきた‘ボク’。
まともに働き出してようやく、東京にオカンを呼び寄せ暮らし始めたのは、親元を離れて15年目のこと。
賑やかで楽しい時はつかの間、すでに癌に侵されたオカンは、最期の日を東京タワーのすぐ近くの病院で過ごすことになったのです――


内容はCMやドラマでご存知の方も多いと思います。
ストレートな母子の思いを綴ったドラマです。
幼少期のノスタルジックな回想と、成長期のほろ苦い思い出と、今。
オカンとの最期が、尋常でないほど辛くなるのは、自分の思いも同化していくことと、樹木希林の演技力にどっぷり浸かってしまったからです。。
癌の苦しみと、まだ生きててほしいと思う気持ち、後半は闘病ものになりますが、大切な人との別れの苦しみが自分のことのように迫ってくるので、涙なしではとても観られませんでした。
しかも、かなり早いうちから・・・


オダギリジョーも含め、演技派の役者さんが揃って素晴らしい演技を見せています。
特に樹木希林、そしてオカンの若い頃を演じた、実の娘の内田也哉子が素晴らしい!
人の美しさは内面から。この母娘から感じる美しさや包容力や人間味は、誰にもなかなか真似できないのではないでしょうか。



326152_01_04_02.jpg 326152_01_02_02.jpg

「幼少期 オカン(内田也哉子)の実家へ帰るボク」        「オカンが東京へきて賑やかになった食卓」



順に辿られるボクとオカンの何でもないはずの暮らしが、後からあとから沁みてくる。
原作者の自叙伝ですが、田舎の母との思い出が、単に自己満足にならなかったのはなぜでしょう。
誰にも母はあって、誰にも無償の愛をくれる人が必要で、そんな相手との別れが必ず来ることを知っているからこそ、他人事ではないのかもしれません。
最期の時をどうやって生きたら後悔しないのか、どう生きても愛してくれる人に、どうしたら孝行できるのかを思います。

‘ボク’がしてあげたことは、すごい。
それができない人はこの世にごまんといるはずです。
オカンはすごい。
無償の愛を捧げる人はこの世にあまりいないのかもしれない。
それなら自分はどうだろう…と考えてしまいました。


豪華すぎる出演者もみどころ。
板尾創路、宮崎あおい、柄本明、土屋久美子・・・ほか懐かしい顔ぶれも多数。
時々登場のオトンは小林薫さんが熱演。
絵の師匠でもある、とんでるオトンが描く菩薩さまの絵が、幼少期から部屋の中で少しずつ完成に向けて筆を足されていく様が好きでした。
自由に生きるオトンの、人生の成熟とともに、この絵も成熟していってるのでしょう。
自由さは、時に集団生活に向かなくて、この父も家庭を壊してしまうけど、オカンの最期にはちゃんと寄り添っていたオトンが素敵でした。
自由でもこんな風に生きられる人は珍しいのかもしれない。
ということはフランキー一家は逸材?なのかもしれない。
でも見習いたいし、素敵だったなぁ。
オトンの描いた絵、もう完成したのでしょうか。

最後の写真を観ただけで、今は涙がでてきます。


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監督  松岡錠司
原作  リリー・フランキー
脚本  松尾スズキ
音楽  上田禎
出演  オダギリジョー 、樹木希林 、内田也哉子
     松たか子 、小林薫  、冨浦智嗣 、田中祥平
     谷端奏人 、伊藤歩

 


326152_01_01_02.jpg











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Last updated  2007.04.30 19:14:15
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