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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:日本映画
伊坂幸太郎の同名ベストセラーを映画化したクライム・コメディ。 銀行での爆弾騒動の現場に偶然居合わせた4人の男女。それぞれ風変わりな才能を持った彼らは、事件を阻止したことで図らずも4人が組めば才能を活かせることに気づく。かくして4人は銀行強盗チームを結成、抜群のコンビネーションで次々と成功を収めていくのだったが…。 続々と映画化されている伊坂幸太郎の原作は、「重力ピエロ」を読んだだけですが好きです。 魅力ある主人公の描き方、軽妙な文章が読みやすくて、ありそうでない物語がいい。 こちらの原作は読んでいませんが、陽気な雰囲気に早いテンポ、時間軸を入れ替えた展開はなかなか楽しめました。 本作も、短尺の92分。 「下妻物語」を思い出すようなVFXの使われ方が独特です。多少コミックという感じもして、現実離れした物語によく似合っていました。 衣装、小道具、車・・・ビビットな色遣いがこれまたよく似合う。 監督が作りたいものがよくわかります。 人の嘘を見破れる成瀬(大沢)、絶対的な体内時計を持つ雪子(鈴木)、生まれつきのスリ名人・久遠(松田)、そして屁理屈まじりの演説が得意な響野(佐藤)。 4人は偶然に出会った日から、強盗のチームを組むこととなるのです。 しかし、すべてが上手くいっていたある日、銀行で奪った4千万を、突如道ばたで強奪されてしまいます。 実は、息子を誘拐されていた雪子は、元夫・地道(大倉)とその黒幕に脅され、身代金として4千万が必要だったのです。 唯一彼女に密かに思いを寄せている成瀬だけは、雪子の嘘を見破っていました。 あとの二人はがっくり、一度はチームは解散することとなるのですが、、ところが面白いのはここから。 再起を懸けた再結成。 そこで彼らの儲けを横取りしようとする謎の敵が現れ、成瀬に恨みを持つ謎の根暗男に狙われ、最後の仕事(強盗)現場は先の読めない大パニックと化すのです。 騙し騙され、さほどスリリングでないにしても、小さなサプライズあり、どんでん返しあり。 目の離せない犯罪ものコメディでした。 成瀬と雪子の恋の行くえは? 誰が最後に笑うのか? 結末は、ご覧になってからのお楽しみですね~ 本作がデビュー作という松田龍平の弟・松田翔太は微妙でした・・・上手いとはいえない感じ。 個人的な好みでは大沢たかおも苦手なので、メンバーの半分がしっくりこなかったわけですが、佐藤浩市・鈴木京香の好演でカバーされていた気もします。 脇役は個性派揃い。みなさん癖のある人を癖のある演技で、こちらも好演怪演しています。 それにしても、大杉漣さんは、邦画を観るたびにいつも登場しますね~~ 300の顔を持つ男とは~頷けます。 監督 前田哲 原作 伊坂幸太郎 『陽気なギャングが地球を回す』 脚本 長谷川隆 、前田哲 、丑尾健太郎 音楽 佐藤“フィッシャー”五魚 出演 大沢たかお 、鈴木京香 、松田翔太 佐藤浩市 、大倉孝二 、加藤ローサ (カラー/92分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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