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テーマ:本のある暮らし(3317)
カテゴリ:本
以前観た「雨月物語」「御法度」が面白かったので手に取ってみました。 全9話の物語は怪しげで、怪談といえるのかもしれませんが、所詮一番怖いのは人間。 情念や欲や徳やらの物語。時間は掛かりましたが、それぞれに楽しんで読むことができました。 雨月物語の後に収録されているのは「癇癖談」。‘くせものがたり’と読むそうです。 なくて七癖。いろんな方面に執着する人々を滑稽に描き出した、伊勢物語のパロディでした。 こちらは解説にもありましたが、大阪市道頓堀の辺りにあった貧民窟の描写がリアルでよかったです。 他に写実的な箇所はほとんどないので、よけい目立って良いシーンでした。 ほんの少しだけどユーモアも 一話ごとが意外と短いので、映画などでは幅広く自由に脚色できそうな原作。 溝口健二の「雨月物語」では、「浅茅が宿」「蛇性の婬」のふたつを合わせてひとつの作品にしていました。 商いのため都に出たきり、戦で妻の待つ田舎へ帰れなくなった男が、数年ぶりに戻ると、やつれた妻がまだ一人きりで待っています。一夜が過ぎ翌朝、昨夜観た妻は亡霊だったと気づく「浅茅が宿」。 蛇女に好かれた男が、どこまでも追われる様を恐ろしく描いた「蛇性の婬」。 200年も前の読み物を読むというのも味があっていいな~。 「徒然草」「伊勢物語」「源氏物語」「とりかへばや物語」など興味があるけれど、いつか手にとって読むことはあるでしょうか。 恐ろしく時間が掛かるとわかっているからこそ、手を出せずに終わってしまいそう でも、現代語ですらすらと書かれていては味がない! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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