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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:日本映画
原作を読んだ相方が面白いといい、次は映画、というので便乗して一緒に観ました。 帰省する前に観たので、ずいぶん経ってしまいましたが、それから原作を読んだので合わせて感想を書いてみます この映画が気になったのはトヨエツブーム(笑)と、「ユリイカ」の青山真治監督だったから。 けれど、先の読めないミステリーにはなっていても、人間ドラマがかなり薄れてしまった感があり、原作を先に読んだ方には別物になっている、そう言われても仕方ない出来でした。 ほとんど前情報がなく観ても、途中眠たくなって。「ユリイカ」は偶然の佳作だったのかな、青山監督。 (あらすじ) 中学受験を控えた家族が、塾の講師・津久見(豊川)を招き、湖畔の別荘で勉強合宿を開く。家族とは別居中の並木俊介(役所)も、妻・美菜子(薬師丸)と子どものため、合宿に参加していた。 そんな俊介に、仕事仲間で愛人の英里子が突然別荘に会いにきた。その夜、別荘のリビングで彼女が殺されているのが発見され、美菜子が犯行を告白するが、スキャンダルを恐れた他の親たちは、積極的に事件の隠ぺい工作を進めるのだった・・・。 美菜子は再婚で、俊介と娘に血の繋がりはありません。それでも父親としての努力をしてきたつもりの俊介。 湖畔の別荘に来て、とんでもない事件に巻き込まれて、来る前には考えてもみなかった未来を選ぶことになる―――そこがおもしろい所。 映画ではうまく表現できていませんが、見えない真実に翻弄されます。 異常な状況で物語は進んでいく。身元をわからなくするため、死体の顔を潰したり、指紋を焼いたり。異常な連帯感のなかで、犯罪は重ねられていきます。 率先して指揮する藤間役には、柄本明。彼の淡々とした喋りがよく似合う。原作のイメージと同じでした。 完璧に、なかったことにしたはずの事件。でも真実は、意外なところから浮かびあがり、驚きの結末を迎えるのです。 自分の子どもの心でさえ、わかることが出来ない親たちの情けない姿が炙り出される。 殺された愛人が持っていた写真の伏線も、おそろいの靴に隠された伏線も、映画のなかで削られた部分を補足できてはいなくて、隠された本当の意味は本を読んでから、わかりました。 裏口入学についてのあれこれも、ずいぶん端折っているので、お粗末な作品と思ったのも無理はないでしょう。 普通のミステリーで、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。 原作は単なるミステリーでは終わらず、真実がわかったからこそ、主人公がある決意をするところで締めくくられています。一気に読める本でした。 監督 青山真治 原作 東野圭吾 脚本 青山真治 深沢正樹 音楽 長嶌寛幸 出演 役所広司 薬師丸ひろ子 柄本明 黒田福美 眞野裕子 豊川悦司 (カラー/118分/R15) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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