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行きかふ人も又

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2008.02.27
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カテゴリ:

 『映画行脚』で、淀川さんに引けをとらないほど、沢山の映画をご覧になっていると知った、池波正太郎さんのエッセイ。
映画だけについて語ったエッセイを探して、なくて、見つけたのがこちら。

衣食住・散歩・映画・仕事・家族・旅・母―――そういった日常のテーマを綴っています。
大人のユーモアと懐の深さ。
狐狸庵先生こと遠藤周作氏と似た匂いを感じました。

テーマは多くても、強く心に残ってくるのは死生観。
いつ死んでもいい生き方をする。誰もが思っていても、忘れがちな大事なことを、有言実行してらっしゃるのがよくわかります。
戦争を経験した世代は皆そうだろう、というけれど、母に対して、家人に対して、いつ死んでくれても大丈夫、やれるだけのことはしてやった、そう言える人は多くはいないでしょう。
自分もちょっと、意識してやってみよう、と思わせてくれました。

一週間の中に、必ず映画館へ足を運ぶ、息抜きの時がある。
羨ましい映画の観かたをされているなと、思います。
生活に占める映画の存在が、確固たる位置を占めていて、何物も譲らないというのが、すばらしい。
今度は本職の小説のほうを、いつか手に取り、読みたいです。






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Last updated  2008.02.27 22:53:40
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