|
テーマ:■オンラインレンタル■(148)
カテゴリ:日本映画
いつもつるんでは問題を起こしていた18歳のマサル(金子)とシンジ(安藤)。ある日、素人ボクサーにノックアウトされてしまったマサルは、ボクシングに目覚め、ジム通いをはじめる。付き合いで入門したシンジも加わり、ふたりは練習に没頭する。 高校生活が終わり、シンジはボクシング界の逸材に成長するが、ジムにマサルの姿はなかった・・・。 北野作品は音楽が良い。作品に漂うリズムや間(ま)は、お笑いの舞台で培ってきたものでしょうか。 反面、裏目にでるのは、変なところで笑いをとろうとするシーン。 コントのような台詞が投入されるのは、残念に感じますが、ラストの清々しい感動を味わうと、そんなこと忘れてしまえるようでした。 ふたりの青年の青春物語は、ノスタルジーと爽快さの只中で、繰り広げられていきます。 ボクシングに情熱を注ぐシンジ、暴力団に入ったマサル。 全く別の道を行くことになったふたりには、それぞれの栄光と挫折が待っています。 前途有望な若者の足を引っ張るのは、大人たち。 希望ある未来を信じて疑わない、ぐれていても真っ直ぐな彼らは、周りの大人たちから嫌というほど現実を見せられ、将来を挫かれるのです。 どうしようもない大人の世界。ここで、これからは勝負しなくてはいけないと知った瞬間が、自分にもあったように、思い出されます。 辛い。ツライけれど、ひとつ終わって、また次が始まる。 きっと、この先になにかを見つけるであろう、キラリ光る爽快なエンディングが好きでした。 主人公たちの生活は、詳しく描かれません。 両親たちはいったいどうしてるの? なんて、気にしてはダメ。 必要最小限にこじんまりまとまっています。 これが北野監督が好きな空気感であり、ノスタルジーなのでしょうね。 一連の監督作にある暴力は、監督にとってどんな位置を占めるものなのか、どんな思いがあってのことかは、まだ分からないけれど、作品には愛情を感じます。 最後まで見守りたくなる二人の青年の青春が、瑞々しい感動を残してくれました。 監督・脚本 北野武 撮影 柳島克己 編集 北野武 太田義則 音楽 久石譲 出演 金子賢 安藤政信 森本レオ 山谷初男 柏谷享助 寺島進 (カラー/108分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[日本映画] カテゴリの最新記事
|