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カテゴリ:日本映画
この映画が日本公開される前後、その是非が騒がれていたのが昨日のことのようです。 靖国問題は、報道の情報以外なにも知らなくて、一冊くらいなにか読んでから観ようと思いながら月日は流れて、結局知識のないまま鑑賞。 ほかの国々と比べて、日本がいかに戦争を含めた近代史を、学校で教えていないか実感する。自分も含めて、靖国神社が身近ではないとはいえ、なにも知らなかったことが恥ずかしい。 まず一番に湧いたのは、現代のものとは思えない――という感想だった。 今でも靖国神社では、終戦の日にこんなことが行われているとは、、。 神社と政治家と右翼。この三者が朧げに繋がって思えたのは、あらぬ先入観なのだろうか。 英霊、英霊・・・この言葉、耳に残る。望んでそうなり、祀られたわけではない、遺族の思いが強く伝わってくる。 靖国から名を省いて欲しいと願う一般の人々、台湾の女性、浄土真宗のお坊さん。対応するのはへらへらした逃げ腰の宮司さん。あまりに対照的にカメラに捉えられていて印象的だ。 現代の神社とはいったいなんなのか、疑問符とともに懐疑心もちょっと湧く。 それを言ったらお寺もそうなのかもしれないけど。 遊就館、叙勲、英霊といった言葉や、クローズアップされていた中国や台湾の人々の怒りが・・・止められない不快感を催させる。嫌悪感から胸が悪くなる。 それはたぶん素直な反応で、母国が犯してきた罪を真っ向から見据えれば、不快になるほどの嫌な歴史が日本にはあるのだ。 台湾の映画、とくにツァイ・ミンリャンが個人的には好きで、台湾と日本には共通したものを感じて親しみが湧いてたのだけれど、だからといって台湾人が親日だなんて、勝手な思い込みだったのかと思うと、なんだか寂しくもある。 それでも、時代は流れて、前進してかなくてはならないから、教育というものが大事になってくるんだと思う。 なぜ日本がアジアの国々に恨まれているのか、知らない若者は増える一方なのだから。 本作を見たからといって、靖国神社問題を理解するには足りなかった。あらましを知れるに留まります。 もともと知識ある方には、周知の事実ばかりで真新しいものはないのかもしれない。 それでも、少なくても私には、なにか一冊本を手にとってみようという気を起こさせてくれたので観てよかった作品でした。 すべての縦糸となっていたのは、1933年から終戦まで靖国神社で作られていた軍刀・靖国刀を鍛える、最後の鍛冶職人のエピソード。 ラストはその軍刀が使われていた当時の写真で締めくくられます。 血塗られた時代を喚起させられて、胸が痛い。 監督 李纓 撮影 堀田泰寛 李纓 編集 大重裕二 李纓 (カラー/123分/日本=中国合作) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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