|
テーマ:最近買った 本・雑誌(6925)
カテゴリ:本
ドキュメンタリー映画『非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎』を鑑賞したあと、購入した本。 ダーガーの描いた絵や作品世界について、もう少し詳しく知りたくなったのでした。 ジェシカ・ユー監督の映画が公開されて、ヘンリー・ダーガー(1892~1973)が話題になるまで、わたしはこの方をまったく知らなかった。本は2007年の特集のもの。 物語は、子供奴隷ヴィヴィアン・ガールズたちの反乱に起因する戦争のお話。 完読した人はまだ誰もいない、1万5千ページに及ぶ世界一長いと言われる長編小説。 様々なアーティストにとってのダーガーという存在/『非現実の王国で』を知ることは、ダーガー自身を知ること。 なるほどー。たしかに小説と同じくらい、ダーガーの人生やこころを知りたいと思う。 アウトサイダー・アートとは、芸術の訓練を受けていなくて、人に見せることも名声も目指さず、流派や傾向やモードに一切とらわれずに自然に表現した作品のことをいうそう。(wikiより) 自分の精神が生きるために求めて、なにかを創造せずにいれない人。そういう形でのアートがある。美術学校に通って学んだ人だけが、芸術を生みだせるわけじゃない。 訓練とか名声とか、そういうものからかけ離れたことろに存在している、孤高の精神を持する作品たち。 それがすごく素晴らしくて、生みだされた状況はより身近で、ダーガーがいかにして偉業をなし遂げたのか知りたくてたまりません。同じ人間として。 ゆっくりと絵を眺めてみると、色遣いがすごく魅力的。 少女たちはトレースなどで描かれていたとしても、色を決めたのはダーガー自身。 一種の塗り絵であった――そう言った専門家の言葉があったけれど、塗り絵には心と体を癒す効果があるのかもしれません。近頃、ユング派の心理療法士が考案した"曼荼羅塗り絵"なんてあるくらいだから、まんざらでもない。 『非現実の王国で』の謎に迫りきるには、きっとまだ時間がかかるのでしょうが、いつかもっと詳しい解説を聞きたいものです。 加筆。 こんな特集本よりも、ジョン・M. マグレガーの『非現実の王国で』をそのまま読んだ方が、ずっとダーガーについて詳しい。もっと早く読むべきだったなー。(2011年10月) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本] カテゴリの最新記事
|