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行きかふ人も又

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2009.10.20
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 「私」の生い立ちから青年期までを、告白形式で綴った、三島由紀夫の自伝的小説。流石、センセーショナルでした。
1949年当時、この内容に驚いた知識人を想像すると、なんだか可笑しい。そういう私も刊行から60年経っているのに、驚いているからなお可笑しい。

旧仮名遣いのエロチシズム漂う、内容にそぐわぬ潔癖な文体。この内容すべてが真実であったかどうかはわかりませんが、だいたいにおいて略歴に沿っているようです。
性の倒錯については、然してもなく読み進められても、あまりに赤裸々な告白だとこっちが聞くのを遠慮したくなりますが、、、文学ですから、ちゃんと完読。
絶対に三島由紀夫にしか書けないもの、そのものという感じがします。

学生のころ、時は戦時中。病弱なのをダシに兵役逃れした――というような件がありましたが、私的には、そうして生き延びた人の方が、より人間的で好ましく思います。
右翼に傾倒し、若くして割腹自殺してしまうとしても、戦争なんかで死ななくてよかった。でなけば氏の名著はこの世にないんだから。
これからも少しずつ、手に取っていこうと思います。


三島由紀夫氏もインド・タイを旅したことがあるんだと、このたび調べものをしていて初めて知りました。
遺作である『豊饒の海』の第三部は、その旅行から生まれたものだとか。いつか手に取るだろうとは思っていたけれど、知れば俄然読みたくなりました。

遠藤周作氏をはじめ、文豪たちを惹きつけるインドは、彼らをどう変えてどんな気持ちにさせたのか、知りたい。
平々凡々に生きる私は、書物からそれを窺い知りながら、有りがたくなんらかの恩恵を受ける。
やはり魅力的だなぁ、印度。







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Last updated  2009.10.21 17:39:03
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