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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:ポーランド映画
シアターキノにて、一週間上映されている『キェシロフスキ・プリズム』。 キノでは、7作品のなかから、順次日替わりで2~3作品上映しています。20日(金)まで。 今回上映された日本初公開の作品群は、権利関係上DVD発売が出来ない、上映自体が貴重なもの。 できることならすべて観たかった・・・! 月曜日、仕事あと、『スティル・アライヴ』と『スタッフ』を鑑賞してきました。 ポーランド映画界の至宝、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の没後10年を記念して作られた記録映画。 学生時代に始めたドキュメンタリー製作から、20数本に及ぶ監督作品について、キェシロフスキ自身の貴重な声や、スタッフ、友人らの証言を織り交ぜて綴る――― キェシロフスキが急逝したのは1996年3月。 当時、まだ氏の作品だと意識せず、遺作『トリコロール』が好きだった私は、ずっと亡くなった実感がないままでした。 このドキュメンタリーを観てはじめて、その偉大さや人となりを知り、もういないことも実感しています。 いまでは、敬愛する監督のひとりとして、大好きになっているキェシロフスキ。その息吹を感じる、出会えてうれい作品。 寝る間も惜しんで、身を削って映画を撮り、命を縮めてしまった人。心に切り込んでくる、人間の本質に触れた素晴らしい作品は、そうして生まれた。 悩んでいたことも、突然得た名声への戸惑いも、いろんなことが初耳で感慨深いです。 本国ポーランドを見つめ続けた作品群から、誇りと深い愛が感じられるわけも、よく理解できる。 偶然、運命――多くの作品のテーマとなったそれらを描く感性が、理屈抜きで胸に沁みてくるのは、キェシロフスキ自身の魅力に他なりません。 ゆかりある人物や本人の言葉は貴重で、ファンには必見のドキュメンタリーになっています。 証言に登場するのは、アニエスカ・ホランド、イレーヌ・ジャコブ、ジュリエット・ビノシュ、作曲家ズビグニェフ・プレイスネル、ヴィム・ヴェンダース、などなど。 「内面に迫りたい」「人間の真実を描きたい」 そう願ったキェシロフスキ監督の映像世界は、たしかに人の内面を描いていたし、真実に切り込んでいた。 これからも『トリコロール』『デカローグ』シリーズは、何度でも観たくなると思う。 監督/ マリア・ズマシュ=コチャノヴィチ 脚本/ スタニスワフ・ザヴィシリンスキ 撮影/ アンジェイ・アダムチャク 編集/ グラジナ・グラドン 製作/ スワヴォミル・サワモン (カラー/82分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.19 21:39:35
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