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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:ポーランド映画
映画演劇技術学校で学び、衣装係の仕立屋となった少年ロメクが味わう、芸術の理想と現実。ヴロツワフのオペラ座に、映画大学生も加わって撮影された、自伝的作品。 34歳のキェシロフスキが、ドキュメンタリーからドラマへと移行する時期に撮った短編作品。 オペラ座を舞台に、衣裳係として職に就いた青年ロメクの目を通して、芸術の理想と現実をシビアに見つめています。 ロメクは監督自身の投影で、彼が感じる新しい仕事への期待や、やがて知る失望や焦燥が、等身大の姿で描かれていく――。 衣裳係の先輩と、偉そうに振る舞う役者が、言い合いをするシーンが印象に残ります。 二人になったあと、ロメクに先輩がこぼす言葉。 「彼らよりも俺たちの方が、ずっと芸術がなんなのかを考えている!」 若きキェシロフスキも、そう思った時代があったのかもしれないなぁ。 けれども、後に大女優たちから「是非私を撮ってほしい」と懇願されるまでになった。 同じような悔しさを、バネにした時代もあったのだろうか、、。 物語はシビアで、未来への選択を迫られるラスト。 すでに、運命の分かれ道的な終わりをしているのが、後の作品群を思うと、とても興味深かった。 撮影は苦手(キライ?)として、もっぱらカメラマンに一任していたというキェシロフスキ。映像の手ブレが激しいのは、いかにも初期の低予算ぽいです。 まだ未熟さも当然残り、面白いとは言い難いけれど、貴重な作品を劇場で鑑賞することができて、本当にうれしい。 監督・脚本/ クシシュトフ・キエシロフスキ 撮影/ ウィトールド・ストック 出演/ ジュリアス・マチュルスキ ミハウ・タルコフスキ (カラー/67分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.20 18:27:35
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