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2009.11.18
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カテゴリ:ポーランド映画

 映画演劇技術学校で学び、衣装係の仕立屋となった少年ロメクが味わう、芸術の理想と現実。ヴロツワフのオペラ座に、映画大学生も加わって撮影された、自伝的作品。


 34歳のキェシロフスキが、ドキュメンタリーからドラマへと移行する時期に撮った短編作品。
オペラ座を舞台に、衣裳係として職に就いた青年ロメクの目を通して、芸術の理想と現実をシビアに見つめています。
ロメクは監督自身の投影で、彼が感じる新しい仕事への期待や、やがて知る失望や焦燥が、等身大の姿で描かれていく――。

衣裳係の先輩と、偉そうに振る舞う役者が、言い合いをするシーンが印象に残ります。
二人になったあと、ロメクに先輩がこぼす言葉。

「彼らよりも俺たちの方が、ずっと芸術がなんなのかを考えている!」

若きキェシロフスキも、そう思った時代があったのかもしれないなぁ。
けれども、後に大女優たちから「是非私を撮ってほしい」と懇願されるまでになった。
同じような悔しさを、バネにした時代もあったのだろうか、、。


物語はシビアで、未来への選択を迫られるラスト。
すでに、運命の分かれ道的な終わりをしているのが、後の作品群を思うと、とても興味深かった。

撮影は苦手(キライ?)として、もっぱらカメラマンに一任していたというキェシロフスキ。映像の手ブレが激しいのは、いかにも初期の低予算ぽいです。
まだ未熟さも当然残り、面白いとは言い難いけれど、貴重な作品を劇場で鑑賞することができて、本当にうれしい。



●  ●  ●  ●


監督・脚本/ クシシュトフ・キエシロフスキ
撮影/ ウィトールド・ストック
出演/ ジュリアス・マチュルスキ   ミハウ・タルコフスキ

(カラー/67分)






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Last updated  2009.11.20 18:27:35
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