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行きかふ人も又

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2009.11.22
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 この装丁ですよ、、。やっぱりステキ。
十代半ばに強く惹かれて、でも読めなかった、それゆえにすごく思い入れ深い作品です。

『薔薇の名前』を初めて知ったのは映画で、原作に憧れて、ついでにクリスチャン・スレイターを見初めたのも、この作品でしたー。なつかしい。

当時は冒頭の部分が難しく、こんなに長い本を読んだこともなくて、いつの日か読めるかなぁと心に思っていたのでした。
あれから15年以上たって、やっと読んだ!


感動冷めやらず――と言いたいところですが、読み終わってしばし経ち、感動はやや冷めました。
とはいえやはりすごい一冊だったなぁ。濃いい。
下手な言葉を並べるより、帯の解説に『薔薇の名前』を語ってもらいましょう。

中世、異端、「ヨハネの黙示録」、暗号、アリストテレース、博物誌、記号論、ミステリ・・・そして何より、読書のあらゆる楽しみが、ここにはある。


碩学の著者、ウンベルト・エーコ氏は、記号論学者なのだという。
わたしになど、とても言及できない作品だけれど、面白いということだけは確か!

エンターテイメントと文学的野心が見事なまでに結合――した本作ですから、映画でよくよく知り得たドラマ部分であれば、ほんとに楽しく、苦にせず読み進められます。
もちろん映画未見でも大丈夫。

問題は、むずかしい中世キリスト教の歴史や、黙示録や、異端などについてを取り上げた数箇所でしょう。頭に入らない部分は流し読みで。

いつか『ソフィーの世界』を読んだ時に似ているなぁと思います。
哲学のところになると、ボーッとなって、でもなんとなく勉強になったように感じて、しかも楽しい。
同じように、勉強になるようなむずかしいこともいっぱい書いてあるんだけれど、ぼーっとなって、それが物語の楽しさに助けられているという。


最低二度は読み通さねば、本書を読んだことにはなるまい

だそうなので、またいつか、二度目に挑戦する時がくる、かも。
15年くらい経ったら。

 






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Last updated  2009.11.24 21:39:07
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